なぜ、リブランは、米づくりをするのか。

about2016.09.20

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東日本大震災

鈴木雄二(リブラン代表取締役)と三ツ口拓也(宣伝部)は、東日本大震災直後の変わり果てた大地を見て、その場に立ちつくし言葉を失った。きっと訪れた誰もがそうであったに違いない。

二人は「NPO法人緑のカーテン応援団」の活動の一環で、東北の仮設住宅に緑のカーテンを届けるため、この地を訪れた。その日のボランティア活動を終え、一関市内で夕食をとっていた。

鈴木は、過去に農業経験のある三ツ口につぶやいた。「三ツ口、農業やりたいな…。美味しいお米をつくって、入居者の皆様にもお届けしよう」2011年の秋のことである。

原体験

鈴木は、幼少時代に米づくりを体験していた。

鈴木「汚れることが嫌いなお坊ちゃんの僕の顔に、笑いながら泥を塗りたくってくれたお兄さんのお陰で、思い切って田んぼへ入った。あぜ道で感じた風や、田んぼの冷たい水、きらきら輝く太陽。その記憶だけはとても鮮明に残っている。」

リブラン米づくりプロジェクト

「リブラン米づくりプロジェクト」は、千葉県の大鷺地区で始まった。初年度から2年間、入居者を中心に77世帯、209名が参加した。初年度は2反分、2年目には、その倍の4反分に田んぼの面積を拡大した。3年目からは場所を埼玉県川越市に移し、先着40世帯、大人72名、子供44名、計116名が参加した。リピーターも増え、この年は3.5反分の田んぼから、1.1トンものコシヒカリを収穫した。

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僕らのお米の価値

鈴木「大量のお米を生産し、販売したいわけじゃない。米づくりは日本に連綿と続く伝統文化。だから、このプロジェクトの参加者にとって、その伝統文化を知る機会となってほしい。そして日本人の主食である米づくりに生産者として関わることで、自分の暮らしを見つめ直す機会となってほしい。子どもたちには、かけがえのない経験を積んでほしい。」

 

三ツ口「僕らのお米の価値は、自分たちで作ったという何物にも代えがたい価値がある。田植えから始まり、草刈り、稲刈り、はさがけまでやって育てたお米。そのプロセスで流した自分たちの汗の結晶。食べ物としての価値だけでなく、米をつくったという体験にこそ価値がある。」

 田んぼに入れなかった子が泥まみれになり、虫をさわれなかった子が、虫を捕まえて喜んでいる。田んぼは未知と遭遇する場所だ。大人も子どもも田んぼの中では平等、みんな初めての体験をする。水が冷たい、泥が気持ち悪い、気持ちいい、ドロドロしている等々。リブランのお米づくりは、知識を与えるのではなく、体験する機会を提供している。

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三ツ口「みんなが一緒に生きられる環境を作りたい。ざっこ(小さな魚)が住める田んぼがいい。本来の米づくりをすれば、里山が復元される。そうすれば都会暮らし、マンション暮らしであっても、自然と繋がる生活を提案できる。」

その後入居者様からの提案で、田んぼの生き物調査も始まった。米づくりを無農薬で行い、田んぼが生き物で賑わえば、この地域の自然もきっと賑わうに違いない。

出会いが互いの人生を豊かに

鈴木「米づくりプロジェクトはもちろん、エコミックスクラブの活動の中で、リブランは大変多くの素晴らしい人たちと出会えた。この一つひとつの出会いが、互いの人生を豊かにして行く。そんなコミュニティのひとつを皆様と共につくりたい。この素晴らしい出会いが一生のお付き合いへと続きますように!」

一緒に汗を流してお米を作ったという経験が、入居者様とリブランの信頼を築いていく。みんなで育てて、みんなで食べる喜び。それが「リブラン米づくりプロジェクト」の魅力である。
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(総務部 太田投稿)