NPO法人緑のカーテン応援団(以下「応援団」)による東日本での活動は、2016年末をもって終了し、2017年から、熊本での活動を開始した。2016年4月14日に発生した熊本地震被災地の仮設住宅へ「緑のカーテン」をお届けする活動である。

益城町テクノ仮設団地

 被害の大きかった益城町の人たちが避難している「益城町テクノ仮設団地」は熊本県内仮設団地の中で一番大きく516戸ある。今回はここにエリアを絞り、設置を希望する250戸の皆様へ、緑のカーテンをお届けするプロジェクトを立ち上げた。

 精力的に希望者の取りまとめと窓口となってくださったのは、テクノ仮設団地の居住者である吉村静代さんだった。 

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 (益城町資料)

仮設配置図

 (吉村さんによって、配置図に希望世帯が落とし込まれていった)

「緑のカーテン」の力による効果とプロジェクトの目的との関係

 「緑のカーテン」の力による効果とプロジェクトの目的とは、どのような関係にあるのか。

 つる性の植物でつくる緑のカーテンは、植物のお世話(栽培)をする必要があるため戸外に出る機会が生まれ、ややもすれば室内にこもりがちになる居住者の方々にとって、生活不活発病の予防策としての効果がある。

 また、毎日の水やりなど、緑のカーテンを育てながら隣近所で助け合う関係性をつくり、新しいコミュニケーションが生まれるきっかけにしていただきたい。

 花や緑を楽しむことで少しでも気持ちが癒され、実を収穫して料理するなど、緑のカーテンが話題のきっかけとなって、新しい会話が始まり、さらに交流を広げていただけるのではないだろうか。

 住棟間隔の狭い仮設住宅は人の視線を妨げる樹々や設計配慮がない中、緑のカーテンが夏の解放される窓辺のプライバシーを守ることに高い効果を発揮することで、外の風を室内に通し少しでも気持ちよく過ごしていただきたい。

 応援団は、東日本での活動を続けてきた結果からも十分その効果を感じていた。

計画を進めるために

 仮設住宅における緑のカーテンづくりに必要な部材であるネット、フック、ペグ、培養土、有機肥料、プランター、苗(1戸当たり2苗)などを準備して250戸の皆様へお届けし、ちょうど真夏に緑のカーテンに育つよう、5月に設置作業を行いたい。 

 しかし、その計画を進めるためには、資金の問題を解決しなければならない。 

助成金の活用

 「熊本地震被災地域の緑化等を応援しませんか」

 それは「熊本地震復興支援事業の実施団体を募集する」という助成金情報だった。該当する実施団体のところには、NPO法人等と書かれていた。

 これだ!解決の糸口が見つかった。

 公益財団法人国土緑化推進機構(以下、「推進機構」)が熊本地震の復興を支援するために目的を限定して実施しているもので「緑の募金」を原資としていた。

 窓口となっている公益財団法人熊本緑化推進委員会の事務局長から、推進機構の担当者を紹介いただき早速助成金を申請した。

  スピーディーな対応のおかげで、3月中旬、助成金の交付が決定した。

熊本県産の間伐材プランターの採用

 間伐材の利用を促進している推進機構から、今回何か間伐材の利用はできないかという提案があった。当初予定していたプラ製のプランターを木製に変更し、熊本県森林組合連合会に製作を依頼。結果、熊本県産の間伐材を利用することになった。

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 培養土や有機肥料、ネット等は熊本市内の園芸店に依頼した。

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地元熊本JCの皆様の熱い協力

 その他、高所にネットを取り付けるための脚立、ネットを張るペグを打つためのハンマー、水やりの道具、仮設団地内を巡回する自転車、重たい土やプランターを運ぶ軽トラック等々、地元JCの方々から強力な支援協力のお申し出をいただいた。

ゴーヤーの種はリクルート住まいカンパニーから、育苗は地元の農家さんの協力で

 リクルート住まいカンパニーは2011年よりCSR活動の一環として、全国に「緑のカーテン」を広げる活動 http://suumo.jp/edit/green/ を継続的に行っている。応援団も緑のカーテンコンテストや東日本被災地での活動など、当初より協力関係を築いている。

 同社から1700粒のゴーヤーの種の提供を受け、地元熊本県の農家さんに苗まで育てて頂き、約550苗を用意した。

設置作業前々日の土砂降りの雨

 設置作業をするための準備として、前々日に、ゴーヤー苗、培養土、有機肥料、ネット、プランターなどの納品を行った。あいにくの土砂降りの雨となり、納品業者さんたちも、ずぶ濡れになっての作業だった。とてもありがたかった。

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準備は整った

 熊本JC、リクルート住まいカンパニー、その他当日は各地からたくさんのボランティアが集まることになり、物心ともに全ての準備が整い、あとは当日を迎えるだけとなった。

行政とNPOである応援団の違い

 居住者の吉村さんは「熊本県も緑のカーテンをやると言ったが、材料を配るだけと聞き、それでは、出来るわけがないと思った。応援団は最初からお年寄りのこともわかってくれていたから安心できた。」と語った。後に、熊本県もボランティアを集め同様の方法に切り替えたが、県に対する吉村さんの気持ちは変わらなかった。

 居住者の方々の中には、ご高齢の方々も多く、ただ資材をお配りするだけでは、緑のカーテンを設置することは出来ない。応援団は多くのボランティアとの協力によって、重たい培養土やプランター、そして高所へのネットの設置まで行う。

 益城町テクノ仮設団地内の設置を希望する全ての方々に緑のカーテンをお届けし、緑のカーテンが団地内の方々の心を少しでも癒してくれたら、また外から団地を訪れる人たちにも「緑のカーテンのある環境」を見て、触れていただき、その力を感じて頂けたらと心から願う。

方向性は同じ

 何度も熊本県の担当者から連絡をいただき話をしたが、当初の方針を転換し、より居住者の方々に寄り添う方向に姿勢を変えた県に対しては拍手を送りたい。熊本県は、県内全ての仮設住宅に緑のカーテンを届ける活動を決定し実施している。
 http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_19828.html

 意義ある活動として方向性を同じくする、被災した熊本県の担当者を労いたいと思う。

 2017年5月14日(日)

 設置は、5月14日(日)の朝からスタートした。その日は、朝から快晴となった。

 

③へつづく

①はこちら http://www.livlan.com/blog/2017/10/19/3208/

(総務部 太田)