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住まいの勉強会

エコ・コミュニケーションセンター

 代表
 環境教育コーディネーター   森 良 氏


PROFILE

 エコ・コミュニケーションセンター

地域の主人公として市民が中心となった、自発的な学習と行動にもとづいて地域の中の問題点に向き合い「環境まちづくり」を進めるお手伝いや、循環・共生・参加の地域づくりの為のコーディネーターの養成、総合的学習を実践するセミナー、体験旅行やエコツアーの企画などを展開。

環境まちづくり

 まず、学ぶという事は双方向、お互いのやり取りです。ですから、いろいろ体験したり、議論したりすることが大切です。いつもなら、5〜6人くらいのグループに分け、共同作業を通してワークショップを行い、いろいろ学んでいきます。

 私が環境教育といったことに携わったのは、知床100u運動というナショナルトラストがきっかけでした。この知床100u運動というのは、開発にさらされていた知床の森を一般市民の方が少しずつお金を出し合って、買取っていき保存するというものです。この運動の一環で子供を対象に知床自然教室というものがあり、ふとした事からボランティアとして参加したのが始まりでした。その具体的な準備段階から参加し、子供達とふれあい、この経験を通して気づいたことがありました。それが現在、環境教育に携わっているきっかけとなりました。
 その経験を通して気づいた点とは、
 大人がいろいろ教えるものと思い込んでいたが、そうではなく、
   @自然が様々なことを教えるのであって、大人達はその機会を与えるだけという点。
   A子供から教えられる事が多く、凝り固まった大人の頭からは出来きない柔軟な発想があるという点でした。

 それから、10年間ボランティアをやりつづけ、私自身いろいろ学び、現在、環境教育や環境まちづくりなどに携わっています。

 さて、環境教育という点で一人一人の人間が顔や個性があるように、地域というものにも顔や個性があります。住まいも顔と個性を持った地域の中に建てられ、顔と個性を持った人々が暮らしているのです。その地域の顔と個性をどう発見していくかが、これから重要になってくると思います。

 さて、それでは、その地域の顔と個性をどう発見していけばいいでしょうか?
 基本は現場に立って考えることです。フィールドワークなどを通して体験学習し、発見や気づきを見つけ積み重ねていくのです。これを私は現場学と言っています。

 住まいということであれば、住宅という器というものはどういうものか、その器という物の発想を豊かにする必要があるでしょう。
 例えば、環境共生型住宅というのがありますが、多くは建物の附帯的な設備つけているだけで、これをマンション入居者の人達のコミュニティにどう結びつけるかが重要なのです。共生ということは、そこに住む人達も共に生きていくことですから、当然そういう点が非常に大切になっていくことでしょう。

 ここから具体的に、私が携わってきたことの話しをしていきましょう。

 埼玉県志木市の生涯学習の一環として行われた、市民環境大学という年間5回連続の講座の講師として依頼を受けたのが始まりで、フィールドワークで地域を歩き、ワークショップで課題の共有をはかって地域を考えていきました。

 この市民環境大学という市民講座を2年続け、3年目の企画として、既に受講された人達を対象に「リーダー養成講座」という講座を志木市に提案し、承認を得、企画・運営・進行のトレーニング講座を行い、13人が修了して市の環境教育推進委員として認定されました。

 4年目からは、この13人が中心となって講座を企画・運営していくようになりました。同時に、この人達が中心になってワークショップなど活動を行ってきたが、これを機に「エコシティ志木」という市民グループが発足されました。

 この「エコシティ志木」というのは市民の力で地域の環境調査と環境保全のプランづくり(フィールドワークとワークショップ)を行うことを中心にした市民グループです。

 この活動のなかで、1998年4月には「市民がつくる志木市の環境プラン」というものを完成させ志木市に提出しました。
 それを受けた志木市は「環境基本計画」の策定に入り、志木市民より公募した市民委員26名の活発な議論により、「プラン」を反映した内容の環境基本計画が策定されました。

 この「プラン」のユニークな点は、一般の市民が参加できるシステムが提案されていることです。すでにある場所を活用して、さまざまな立場の人々を集め、市民がそれを運営していく仕組みをつくっていこうということが提案されています。さらに、地域循環型の社会にしていく為の市民事業なども提案されています。



 初めは行政主導の生涯学習の講座で参加型の方法(フィールドワーク・ワークショップ)の楽しさを覚えた市民が、自分達でその方法を身につけ、それを駆使して環境まちづくりのプランをつくりだし、市の政策に反映させたものでした。まさに、こういうのを市民参加というのです。ここには、私達が学ぶべき市民主体の学習と参加のプロセスがあります。



 以上のように紹介してきた志木市の事例から3つの重要なポイントを挙げると、

@ボトムアップ型の政策形成

 今までは、トップダウンの行政が行われてきました。これからは、分権と市民参加の時代と言われているが、分権と市民参加とはどういうことかというと、市町村に具体的な権限を与え、その権限を一人一人の市民が遂行していくという事です。上に上げていくというボトムアップ型の政策形成活動です。

A市民・行政・企業をつなぐコーディネーターの養成

 環境を良くしていくためには、市民による市民社会のコントロールが一番重要。それには市民・行政・企業が、お互いがお互いの仕組みについて理解し、どういう動機で動いているのかを理解しないと、まち全体のビジョンというものは出てきません。その為には、それをつなぐ役割のコーディネーターの役割が必要です。

Bすみなおす ― 「住む」から「棲む」へ

 地域を知り、地域を愛し、地域をつくる人になろうということです。
 その地域の水の源、その地域の風の持つ意味、身のまわりの生物、四季の移り変わり等。そこに住む人々の文化、その土地の地理的な特徴によって形成された特徴など、知っている事が必要な事柄です。

 こういったことを自分たちの住んでいる地域について考えて、その地域のビジョンというものを形づくっていく。みんなでフィールドワークをして、環境を調べたり、課題を出し合ったり、話し合いを積み上げ、ワークショップとしてそれをプランにまとめていくということをそれぞれ具体的にやっていくと、環境まちづくりが進んでいくことになるでしょう。

 環境教育というのは、地域や自然、文化など様々なつながりに気づき、そのつながりを更につなげていくことです。



 本来は他にも体験学習をした子供達の変化や体験談を交えたお話もありましたがスペースの関係上、簡単にまとめさせて頂きました。

 全体的にわかりやすく共感できるものでした。体験や参加することで個人の意識が高まっていき、そこから自分達で話し合い、考え合って自分達の住んでいる地域などを良くしていくという自発的な行動を芽生えさせることによって市民参加、あるいは住民参加という行動になっていくということがわかりました。今後、今回のお話を活かした、事業も行っていきたいと思います。


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