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住まいの勉強会

50代からの住宅ニーズと新メディアの特性について―前半

 (株)リクルート 住宅ディビジョンカンパニー 
  住宅情報「楽家」編集長  西川 裕子 氏


PROFILE

 住宅情報『楽家(らっか)』編集長。
 そもそもは『住宅情報』の編集部に在籍し、ここ数年間リニューアルを手掛けたり、『都心に住む』という新しいコンセプトの本をだしたり、そのようなメディアの開発に携わってくる。。
 2002年の4月からはアクティブエイジとかシニアの年代に対して何かメディアを出せないのかという企画が持ち上がり、西川さんのみを専任担当とした、3人の小さな組織でプロジェクトがスタートし、『楽家(らっか)』の発刊にいたる。

 今日は、これを創刊するまでのプロセスとして、50代以上のマーケットをいろいろ分析した結果から、どういうふうな住宅ニーズがあるのか、それを分析するに当たって、どんなターゲット像をイメージして、その人たちがどんな志向性を持っていらっしゃるのかということをお話ししながら、御社の商品企画や販売に多少お役に立てる話ができればなと思っています。それではよろしくお願いいたします。

 私どもがこのプロジェクトを立ち上げた背景というのが、そもそも市場の中で年代層が上の方が非常に動いているぞという話があちこちから聞こえてきたということでした。ただ、うちのほうも若い方向けに置いた本でしたので、この実態がなかなかつかめなくて、市場でのシェアが一体どのぐらいなのか、実際の契約者のデータを数社のデベロッパーさんにご協力いただき、約2万件分ほど分析しました結果、2001年の契約者の中でのシェアが25.7%という数字が出てきました。これは4年前もざっくり10%と置いていますが、そこから(4年前と)比べると2.5倍ほどに膨れ上がっているという状況です。

 では、どういうふうなところで物件を買われているのか。都心に行くほど、この年代の方が購入されているということで、全体から、都心の23区、8区、3区というふうに、中心に絞れば絞るほど50代以上の方の購入シェアが高まっています。それに伴って購入価格もジワジワと高くなっています。6000万以上は過半数を超えた結果になっていますが、多分ここは特殊な層ではないかと思います。億ションを買う人は一般のサラリーマンとか給与所得者とは違う、会社経営者とか、そういうような方々ではないかと思いますので、そこがグッと増えていますが、それ以外の層で見るとジワッと増えていると思われます。

 続きまして購入の動機を見てみますと、50代未満と50代以上できっかけを比較しました。若い方というのは、「もっと広い家に」というところは「もっと」という向上型ですが、50代以上の方のほうが「もっと便利なところに住みたい」とか、「もっと新しい家に住みたい」とか、「もっと何とかしたい」という、今よりいいものがあったら、そこに移りたいという意欲が高く、逆に言うと「金利が低くて買い時だと思った」「今が買い時だ」みたいな気持ちとか、「住居費が高くてもったいない」とか、切実感というのがあまりない(図1:購入の動機は明確なきっかけよりも「もっと〜したい」という希望 (pdfファイル16KB))。つまりこういう方々に対しては、いいものがあったら動くんだけれども、なかったら別に動く必要はないと思われているようですので、需要を喚起するような、こんなふうな家が、ここだったらありますよとか、こんな暮らしができるんだよという需要喚起型のアプローチをしなければ、なかなか動かれないのではないかと思っております。

 続きまして、1次取得者か2次取得者かというシェアを見てみました。年齢を追うごとに非常にきれいにスイッチしてきておりまして、50代以上で見ると、初めて購入者が45%ほどいらっしゃいます。これは結構驚きでした。典型的なパターンは社宅と官舎にお住みの方です。
 私どもも編集記事を組むときに、「社宅を出て家を買いましょう」という対象者は、大体40代の方をイメージにして資金計画を提案しますが、この方々というのは比較的大手企業にお勤めで、転勤の多い会社なので、転勤になったら、そこからリセットして長く社宅にいられるとか、あるいは官舎でも上級の公務員さんですと80平米2万円の官舎に長くいられて、古いし、嫌なんだけれども、この安さと広さと利便性は変えられないねということで、50代になるまで、ずっと社宅・官舎住まいをされていたというような方が多いようです。
 ところが50歳というのはかなり転機が来る時期で、会社から出向する年齢だったりしますと、出向ということを言われた半年間で、もうここを出なければいけないという話になります。そうしますと、出向してからゆっくり探せばいいのではないかと思いますが、出向すると勤続年数が1年目ということで、どんなに大きな会社に出向になっても、なかなかローンがおりないということで、皆さん、同期の方が50代手前になるとバタバタと家を買われるそうです。

 これは〔感覚値?〕ですけれども、こういう方々の中には、すぐ入居できるような物件とか、建ち上がった物件を買っていらっしゃる方も結構います。データで分析するとあまり出てこないのでどうかなと思いますが、意外に急いでいらっしゃるので、クリアランス物件などがパタッとはまったりするのではないかという気がします。そういう方はデータを分析しても45%もいらっしゃったということで、やはり多いんだなと感じておりますが、この層はまだまだファミリー層での購入になります。年齢が20代後半から30歳でお子さんができたとしたら、子供の年齢は長子で24〜25歳、2人3人きょうだいがいれば、下の子は高校生という家庭もあって、まだまだファミリー層です。
 ところが50代後半ぐらいになってきて徐々に子供も巣立って結婚するという年齢にスイッチしてきて、それとともに買い替え、2次取得が多くなってきます。ここで特徴的なのが、買い増しを見ていただきますと(図2:購入経験は2次取得者が中心。低価格物件を買い増しのマルチハビテーションも。 (pdfファイル16KB))、50代後半が買い増しが一番多くて、また買い替えが増えるという形式になっています。
 60歳以上だと子供さんも40代になっていますので、既に家を取得されているというケースも多く、例えば「子供は絶対に戻ってこないから、新百合ケ丘の土地は売却してしまいましょう」というような行動に移って、買い増しはせずに、次の家に充当するという形式だと思います。

 続きまして家族構成ですがこれもきれいにスイッチしていまして、50代半ばから2人家族以下の世帯が急激に増えます。ちなみに全体でも、これは首都圏の新築マンションの契約者も、「2人家族以下」が過半数です。昔はファミリーが4人家族で3LDKという図式がずっとありました。特に東京ということもあるかと思いますが、2人家族=夫婦2人+子供なしという家庭が非常に多くなってきていて、商品企画に対しても、4人家族想定でモノをつくっていると、今の市場のボリュームからは変わってきているという状況ではないかと思います。

 次に資金計画です。頭金を非常にたくさん入れておられるのがわかります。60代以上では全部キャッシュで買うという方が約6割いらっしゃいます。大体50代で買われる方は多少ローンを組んで、10年間の住宅ローン減税はしっかり受けましょうと。この辺の方々は公庫ではなく、なるべく低い金利で短期の固定金利のものをご利用になって、退職金のタイミングで返却してしまうというご計画が多いようです。
 そういうことで、若い方と、行動パターン・志向・資金計画も変わってくるということがよくわかると思います。そういう方に対しては、私どもでしたら『住宅情報』ではなくて、こういう方々のニーズに特化したメディアをつくる必要があると思いましたし、恐らく接客の場面では、この方向けのセールストークとか提案が必要になってくるのではないでしょうか。

 続きまして団塊世代の特性についてまとめてあります。これは今いろいろなマーケティングの中でも注目されている世代と言われていますが、昭和22〜24年生まれの年代の方を指しています。私どもの『楽家』という本では、恐らく2次取得というか、子供が巣立った後の夫婦2人の住み替えのタイミングが、50代後半から60代にかけてが一番多いのではないかと思っていますが、そういう意味でいくと団塊世代はそれより少しお若い世代だと思っています。
 ただ、よく見慣れた我が国の人口ピラミッド――これは平成12年のものなので(図3:増加の背景は団塊世代が2次取得年齢に差し掛かってきたため (pdfファイル32KB))、今はちょっと変わってきていると思いますが、これをまじまじと見ても、団塊世代のボリュームというのは非常に多く、40代の世代と比べると1.3倍ぐらいいらっしゃいます。その子供たちに当たる団塊ジュニアの世代も非常に多く、ここが消費とかいろいろなものを引っ張っていく、もはやマスになっていく世代ということで、ここの特性というのがどうなのかということを見ておく必要があるということを言われています。我々の本のターゲットも、いずれ2、3年すれば、団塊世代がど真ん中に突入しますので、この方々の時代背景を少しさらっております。

 50代以上の志向性、どんなことをポリシーにしているかということを並べ、50代以上と50代未満の方の差が大きかったものを、50代以上の方が特性としてランキング順につけています。
 差というところの開きが一番大きいのは、「音楽会や美術館に行くのが好きだ」、これが17.2ポイントの差があります。「生涯教育に興味がある」とか、「文化・芸術関係の本をよく読む」とか、この辺は若い世代もみんなそうだと思いますが、50代以上の世代の方がより非常に高く「そうだ」と答えているということで、文化・教養系、学ぶ意欲というあたりがすごく高いように出ています。
 また別の調査でもそうですが、どんなジャンルに対しても興味があるかというと、そうではなく、未知のジャンルとか、どんなジャンルにも興味があるというのは若い人が反応が高く、この年代の方は、今まで自分が興味のあった分野はそれぞれ別々にあって、そこはもっと深く勉強したいとか、それに対して興味があるというような志向性ではないかと思います。これは偉そうに分析するまでもなく、振り返ると自分の周りでもそうではないかと思いますし、例えば自分が何に特化していこうかと思ったときに、「好きなことだよね」ということに行き着くということの結果ではあるかと思います。

 "男性と女性"という話にも触れておきたいのですが、私どもの本はどちらがターゲットなのかという議論をしたときに、この年代の男性と女性はどうなのかということをいろいろ見てみました。
 男性は、家でも何かしようかという方は、どちらかというと勝ち組に属している方だと思います。今50代というと、リストラという、負け組、勝ち組と明確になってしまっていますが、多少豊かな層ではないかと思います。そうすると50代で会社の中でも比較的勝ち組と言われるところにいらっしゃる方は、会社の中でも部長さんとか所長さんとか役員さんというポジションの方だと思いますので、その方々は50代は最も忙しい年代ともいえます。でも、そろそろ定年が近づいてきて、どうしようかということは考えなければいけないけれども、日々がお仕事で忙しいと、しっかりそういうことを考えられる人はまれではないか。将来別荘を持ちたい、釣り三昧したいとか、漠然とした希望はあるのですが、日々の現実の面ではなかなか持てないというところが現状です。
 一方で女性のほうは、この年代の方は、13〜14%ぐらいの大学進学者もいらっしゃいますが、結婚したらすぐに家庭に入るというのが主流だったので、割と専業主婦が多いという世代です。ずっと子育てとか、自分以外の都合で生活を過ごしてきた方々ですが、子供さんが大学に行った時点ぐらいで、ようやく時間が戻ってきたなということで、ホッとされて、これから一体私は何をしようかということを考えられる時期になります。
 そうすると教育費の負担もあと4年というのが見えてきたり、ご主人の定年退職もあと何年後だということで、お金の計算もできてきますので、こういう方にお話を聞くと、お友達と集まっても、先進的な人ほど「『これからどうやって生きていくか』という話をよくしているよね」とおっしゃっています。また、親御さんの体のぐあいが悪くなってくる年代でもありますので、特に介護経験があるとか、お母さんのぐあいが要介護1とか、それぐらいの状況でしょっちゅう見にいっていらっしゃる方は、自分の親がどうやって衰えていくかということを目の当たりに見ています。例えば「私の親は2階の部屋に1年ぐらい上がっていないです。庭の手入れも、植木屋さんに入ってもらって何十万もかけるのは大変で、自分たちでやったらほんとに大変でした」というようなことが身にしみてわかっているということで、そういう手入れが大変な家は、自分たち自身もこれから最後に買うなら避けておこうということを、そういう経験をお持ちの女性ほど、おっしゃっています。

 ですから、グループインタビューにご夫婦でお招きすし、どんな家がいいですかと聞くと、男の人は割とごく一般論をおっしゃいますが、女の方のほうが、「そんな、田舎なんて行きたくないのよ」とか、「私は銀座に住みたい」とか、とにかく近くにおいしいお総菜のお店があって、目医者と歯医者だと歯医者のほうがニーズが高いですが、歯医者が近くにあって、すぐにお医者さんに行けるようなところで、デパートにも歩いて行けたらいいわねとか、とても現実的におっしゃっています。
 一方で自然志向がないわけではなくて、後でも出てきますが、どちらも楽しみたいという志向はもちろんありますが、自分のベースキャンプとしての終の住処という意識でいくと、女性は先々のことまで考えて、しっかりイメージを持っていらっしゃるという感じです。
 ですので、私たちのほうも、男性と女性とどちらかというと、女性のほうがピンと感度がくるのではないかな思いまして、女性を意識した本にしております。

 次は時代背景ということをおさらいします。団塊世代の時代背景はご承知のとおり、戦後の復興期、ベビーブーム時代と言われたときに生まれた世代ですが、学生運動が一番盛んな時期で、卒業されて就職したころにちょうど高度経済成長期とオイルショックが続けざまに来ました。
 その後にマイホームブームというのがやってきた時期で、ちょうど私どもの本が1976年に創刊しました。
 その後バブルが起こって、平成不況ということで大変な時期ではありますが、最後に逃げ切った世代でもあるかなという感じで、50代の人たちは「私たちは結構損をしている。一つ上の世代とか、もう一つ上の世代はほんとに裕福なのよ」ということをおっしゃいますが、その下の私たちはそうではなく、私たちよりも裕福じゃないのかなと思ったりもします。けれども時代の新しい価値観を生み出してこられた年代で、そのころに創刊した本も数々あります。『平凡パンチ』『an・an』『クロワッサン』というあたりが続々と創刊され、特に女性は『an・an』『クロワッサン』とともに20代、30代を過ごしてきたという購読層であります。

  ちなみに団塊ジュニアのほうも少しさらっておきたいと思います。もう一つのボリュームゾーンである団塊ジュニアはオイルショックのころに生まれたということで、小さいときからテレビゲームがあり、早い人だと、この辺からパソコン通信をやっていたのではないかと思います。バブルの景気がいいころはまだ中学・高校生だったということで、大人たちが浮かれ騒いでいるときは、中学・高校生というと、あまりその辺のおいしい思いを享受せず育っている時期です。
 ちょうど就職活動をして就職しようと思ったら、今度は逆にバブル崩壊でかなり厳しい冬の時代ということで、この世代は豊かな生活なんですけれども、世の中に対しては非常に醒めた目で見ているということがよく言われています。ですから自分なりのセンスで、例えば私は今30代後半ですけれども、私の世代ですとちょうどバブル期に社会人になりましたので、流行(はやり)物とかブランド物で、頭のてっぺんから足の先まで買いそろえるというのがステータスっぽい状況でした。
 私は違いますけれども、そういうものを買う人もいましたが、団塊ジュニアの世代は「流行っているものを買うのはバカみたい」という感じで、それは違うと。流行っていないものを、自分たちの口コミネットワークで知って、それをこだわりで買うというふうな世代と言われています。
 あとは親子の共同消費もするということで、お母さんのカバンを借りてかなり高級なものを持っていたり、あるいは自分でも買われる一方、吉野家の牛丼が200円になると、若い女の子でも別に気にせずに並ぶということで、意外に財布のひもはかたかったりして、そういうことも別にヨシとするという世代と言われています。

  親世代の人口流出入についてですが、団塊世代は就職とか進学で20代のころに東京にかなり入ってこられて、その後、ちょうどマイホームを買う年代になると、首都圏のそれ以外の3県に出ていっているというのが図式として出ています。
 そこの地元で生まれ育った子供たち(団塊ジュニア)というのは、そのエリアが生まれたた地元だということで、昔ほどの広域移動の志向がないのではないかというのがベースにあります。
 昔は地縁もなかったので、通勤圏のみで、どこに動いてもよかったし、それとマイホームブームで、あちこち遠いところに物件が出てきて、とにかく買わなきゃみたいなことだったので、通勤圏の範囲で、どこでもあちこち行かれたのですが、今は東武東上線沿線でお生まれになった方は、この沿線上で探されたり、横浜方面で生まれ育った方は、その沿線で探すという傾向があると思います。
住まいの勉強会第8回

 ただ、先ほど見ていただきましたように、親世代は多少都心志向が高くなっていまして、都心志向においても、多少地縁性が絡んでいると思っています。例えばある方が、自分の親戚が日本橋とか神田のあたりにいて、銀座とか中央区あたりで探したいという方もいれば、青山学院出身なので港区・渋谷区周辺が欲しいとか。これは人間はだれでもそうだと思いますが、行ったことがあるとか、過ごしたことがあるというところが比較的検討エリアとして動かれるのではないかと思っています。
 地縁地縁と言いましたが、50代以上の話でいいますと、二つに分かれると思います。地元に根を張ってボランティアをやっていたり、ご近所の方とのつき合いが根差していて、そこを離れたくないという方は必ずいらっしゃいます。ただ一方で、PTAとか子供を介しての近所の人とのおつき合いは徐々に薄れてきている年代でもあります。
 自分の学生時代の友達とか、そこから引っ越ししていると、趣味を通してずっと続いている友達などとのおつき合いが復活するということで、逆に地縁から解き放たれていくという世代でもあります。家族がみんなばらばらに住んでいるケースもよくあると思います。
 これも一回調べたいとは思っておりますが、そうすると、仙台に行っている息子と、アメリカ駐在の娘と、単身赴任のお父さんと私たちが一番集まれるのは、東京の中心だよねと。わざわざ藤沢の家に行くのではなくて、東京に引っ越していたほうがみんな集まれるしねとか、そういうふうな意味での都心志向もあります。それと、さっきの奥様のお言葉ではないですけれども、「どこへでもすぐ行ける」という利便性というのもあります。
 あと、よくおっしゃるのは体力がなくなってくる。体力がなくなってくるけれども楽しみたい。知的欲求が高いですから、1時間もかけて映画館とか音楽会に出かけていくのではなく、タクシーですぐ行けるようなところに住んでいたら楽しめるねということで、出不精になりがちになるのはわかっているから、もっと都心の便利なところに行きたいという志向がすごく高いと思います。

 次のページは、さっきの団塊世代と団塊ジュニアの世代間の関係ということをまとめてみました(図5:友達夫婦は友達親子をつくり、親子世帯で一緒に行動 (pdfファイル136KB))。親子関係は非常に仲よしです。親世代も同い年で結婚されている方も多いようで、友達夫婦と言われて、子供は友達夫婦に育てられ、友達親子みたいな関係があって、二つの世代はお互いに近居志向が非常に高いです。近くに住んでいたほうが何かと便利だとか、お互いを気遣うという意味でも近居志向が高いというふうに言われています。

 持ち家率というのは76%で、これは首都圏の比率です。マンションとの比率では戸建てが7割と出ていますので、私たちの本をつくるときのイメージも、典型的なイメージというのは持ち家です。ちょうどマイホームブームのころに、どんどん郊外に家が建てられましたので、ちょっと郊外で、駅からは少し離れて、でも住宅街というところに一戸建を持っておられて、築年数が大体17〜18年の一戸建です。
 当時の在来工法は一番粗悪というと言葉は悪いですが、昔の大工さんがガチッとつくった家ではなくて、最近のハウスメーカーさんのはしりのころのものなので、お宅を訪問すると、在来で17〜18年だと建て替えられているケースが多いです。水回りを先に直したいという意識が皆さん、非常に強くて、最初から買い替えするというつもりではなくても、まず水回りを直したいというようなことがあります。
 またこの年代はみんなそうですけれども非常に行動力がある方々なので、そこから毎週のように伊豆・箱根方面に物件を探しに行かれ、3カ月後には土地の契約をされたという方で、別荘のほうに趣味の部屋をつくり、こっちの家はちょっとした手直しで済むので、そっちはもう少し我慢しますという方もいらっしゃいました。

 先ほどの親子間の関係性から、どんな住宅ニーズがあるのかということをまとめた図式です(図6:団塊世代と団塊ジュニアの住宅ニーズは今後いろいろ出てくる (pdfファイル189KB))。団塊世代は都心の志向と郊外の志向です。郊外の地元では建て替え・リフォーム、売却・賃貸化のニーズがある。子供世代は近居志向がある。
 円グラフが左と右に書いてありますが、子供とどういうふうに暮らしたいかと親御さんに聞くと、同居ではなくて近居志向、近くに住みたいという方が6割で、つかず離れずの距離感を皆さん求めていると出ています。
 逆に、親の老後をどういうふうに面倒を見ようと思っていますかと子供に聞くと、体が弱ったら面倒見たいとか、元気のうちから面倒を見るつもりとか、通って面倒を見るということで、まだ自分が世帯を持っていないということもあると思いますが、非常に親に対しても気を配っているという仲よしさは出ていると思います。長くなりましたが、今までが50代以上の特性ということで調べたマーケティング結果です。

(後半は次回に続く)

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