Life style magazine

暮らしスタイルマガジン
「てまひま手帖」

屋内外に回遊する「小さな家」

楽ではないけれど、楽しい暮らし“てまひま暮らし”を実践している人を訪ねる企画「てまひま暮らし人」。第12回は、編集部が住宅事業部の樋口と宣伝部の小堺とともに、西東京市にあるAさんのお宅を訪ねました。

物件を購入してリノベーションしようと思った時、「せめて◯◯平米以上は欲しい」と、つい平米数を気にしてしまう人も多いのではないでしょうか。都内にある築25年の中古マンションを購入してリノベーションしたAさんの家は、58平米とコンパクトながら広々と感じられます。そこには、小さな家を広く見せるてまひまリノベーションならではの考え方がありました。

建築のプロと一緒に物件を探す

右からAご夫妻とリブランの小堺と樋口。バルコニーに面した窓は北向きだが、光がたっぷり入る。

小堺隅々まで明るくて気持ち良いですね。中古マンションを購入してリノベーションしようと思ったきっかけはなんですか?

俊孝さんテレビで中古マンションのリノベーション事例を見て、その変わりように可能性を感じたのが始まりです。子どもが生まれる前に家を買おうと決めていたんですけど、リノベーションしたら中古マンションでもこんな素敵な暮らしができるなら、それも良いなと。それで、妻と「どんなまちに住もうか」と話していたんです。

編集部物件ではなく、まちから探していたんですね。

俊孝さんそうです。妻の両親が都内在住で、僕の勤務地が埼玉なので、どちらにもアクセスが良いエリアが良かった。そう思い、妻と練馬を散策していたら、リブランの「てまひま不動産」を見つけたんです。

編集部え、偶然見つけたんですか?

由佳さんインテリアが素敵で、最初は家具屋さんかなと。覗いていたら、営業の樋口さんが声をかけてくれたんです。「実際に足を運んで選ぶのは素敵ですね」と共感してくれて、お話をするうちに物件探しもお願いすることにしました。

編集部具体的にはどんな条件の物件を探されていたんですか?

俊孝さんひとつ目は、将来的に売却したり賃貸物件として貸し出したりする可能性があるので、資産価値が高いこと。ふたつ目は、上階で日当りが良いこと。3つ目には、60〜70平米以上あることを挙げていました。駐車場もマストでしたね。

由佳さん私は自然が多い環境が良かった。子どもには、泥んこになって走り回りながら、たくさん怪我してでもわんぱくに育って欲しいので。

俊孝さん5〜6軒ほど内覧して、最後にこの物件を見た時、先ほどの条件とほぼ合致したんです。保谷は西武池袋線が通っているから埼玉にアクセスしやすいし、バスに乗れば30分で吉祥寺にも行ける。都内でありながら自然が豊かで公園もある。平米数だけ希望より小さかったけど、広いルーフバルコニーがあるし、勾配天井で思ったより広く感じたんです。

由佳さんそれに、てまひま不動産が手掛けた物件も事前に見学していたので、仕上がりのイメージが大体想像できたのも大きかったですね。

俊孝さんそして、一級建築士の内田さんからも、「この物件なら間取りを工夫すれば広々とした空間になりますよ」と言ってもらえたので、安心して購入に踏み切れました。

キッチンとリビングの間はあえて仕切らず、緩やかに繋がるデザイン。床材は耐久性の高いカバ(バーチ)を使用した。

編集部あれ、物件探しの段階から建築士が同席しているんですか?

小堺そう、そこがポイントです。てまひま不動産の「ワンストップリノベーション」は、物件探しから資金計画、リノベーション設計・施工、アフターサービスまでひとつの窓口で行なっているんです。最初から建築のプロのアドバイスを受けられるんですよ。

樋口私たちは「暮らしの目線でお客様に住まいをお届けすること」を大切にしているので、どんなふうに住みたいのかじっくりヒアリングします。条件に合う物件を見つけたら、まずは必要な予算の想定を組んでみる。希望のプランが実現できるのかの判断は一級建築士が図面を見て行います。書類上での判断が難しい場合は、実際に現場まで足を運ぶこともあるんです。

俊孝さん自分たちでリノベーション向きの物件を探すって案外難しいじゃないですか。そこを一緒に見ていただけるのは助かりました。

樋口もちろん、すでに物件を購入されて「リノベーションだけお願いします」とご依頼いただくこともあるのですが、蓋を開けてみたら、「ご希望のプランは建物の構造上出来ません」ということもある。事前に知っていたら、「ここだと描いている暮らしが実現しにくいから他にしませんか?」とアドバイスできるのに……。

小堺建てられた時代によって床のつくり方も違うので、キッチンはここに動かせるとか、動かせないとか、プロが見ないと分からないことがあります。あと、物件を選ぶ時に平米数を気にされる方も多いんですけど、うちは「立体で考えましょう」と伝えていて。つまり、空間を垂直方向に区切ることで、限られたスペースでも快適に暮らすことができるんです。「平米数が小さいから」と選択肢から外すのではなく、「空間を二層にしたら平米数以上の床面積がとれるかも?」と視点を変えてみる。ロフトの設置も、そういう考えのもと生まれたアイデアなんです。

お気に入りのお店や空間からイメージを描く

壁際の収納扉は、コスト削減のためラワン材を使用。「ワックスを塗ったら木目が浮き出て、空間に馴染みました」とAさん。

デッキを部屋の延長として捉え、窓際に収納付きベンチを設置。整然とした洗面台は由佳さんが収納スペースを考慮して自らデザインしたもの。

編集部デザインは具体的にどうやって進められたんですか?

由佳さんふたりが好きなギャラリー兼カフェが南浦和にあって、その写真をお見せしました。

小堺そのお店は、ゆっくり流れる時間としっとりとした暗さのある素敵な空間なんですよね。

由佳さんまさにそう。見た目のデザインではなく、実際にこの場で感じる心地良さを家のなかでも再現したかった。

俊孝さん内田さんはとことん向き合って、カフェも実際に足を運んでくれて感謝しています。この空間も、実は限られたスペースで開放的に感じるようなこだわりが詰まっているんです。

由佳さん建築家のル・コルビュジエが両親のために建てた「小さな家」と言う作品があるのですが、広さ60平米とは思えないほどの開放感があるんです。この家もそんなふうにできたら……と思っていたら、打ち合わせで内田さんが「僕はこの家をコルビュジエの『小さな家』のようにしたい」とおっしゃってびっくりしました。「小さな家」の特徴は、回遊性のある家であること。そして、その回遊性が庭や屋上へと緩やかに繋がっていくこと。それで、ロフトからオープンキッチン、リビング、バルコニーへ回遊するプランを描いてもらいました。

家の中心に設えた小さな書斎は、ゆっくり読書をしたり、パソコン作業をしたりする場所。梯子を登ると、2層目、3層目、と空間が分かれている。

編集部だから、こんなに広々と感じるんですね。

由佳さんマンションなのに戸建みたいですよね。照明はすべて内田さんにお任せしました。点け方によって家の雰囲気がガラリと変わるので、とても面白いです。

俊孝さんちょっとした遊び心というか、暮らしを楽しむ余白を残してくれたのが嬉しいよね。

素材にこだわって、長く快適に暮らす

俊孝さんリブランは自然素材にもこだわっているところが良かったんです。妻がアレルギーのある体質なので、珪藻土や調湿効果のある壁紙材など、安心して暮らせる素材を使っているところが信頼できて。

小堺内装を自然素材に変えると、室内の湿度に応じて、湿気を吸ったり吐いたり調整して湿度のコントロールしてくれるんです。湿度のコントロールをしやすくなりますよ。喘息の方から「自然素材の家に引っ越してから症状が穏やかになった」と言われることもあります。

玄関から室内窓を通じて室内に心地良い風が流れる。寝室の壁には調湿効果のある珪藻土を塗装。シックハウス症候群対策はもちろん、匂い成分の吸着にも役立つ。

由佳さん私は花粉症やハウスダストのアレルギー、喘息があるのですが、ここに引っ越してからとても快調です。そういえば、我が家に遊びに来た化学物質過敏症の友人も、普段なら新築の家に遊びに行くと体調が悪くなるのに、「ここは大丈夫だった」と言っていました。それに、土間があると室内に花粉を持ち込まないように玄関の土間でコートを脱ぐことを徹底しやすい。土間の活用方法(笑)。快適な住まいをつくるためには、デザインだけではなく素材も大事なんだなぁと実感しました。

家が完成したら由佳さんが飾りたかった作品。インドの先住民族が描いたシルクスクリーンの絵で、これを飾るためにキッチンの食器棚を造作した。

編集部ちなみに、バルコニーには何を植えられたんですか?

由佳さん向日葵です。これも内田さんからの提案。北側バルコニーなので、「向日葵は太陽の方向に向かって咲くから、花を植えたらリビングを向いて咲くよ」と教えていただいたので、さっそく植えてみました。

俊孝さん内田さん、最初からスケッチに向日葵を描いていたんですよ。

由佳さん私たちはそこでノックアウトされちゃったんです(笑)。バルコニーの花まで考えてデザインしてくださるなんて。

設計担当の内田が制作したA家の模型。花を植えて北側バルコニーならではの楽しみ方を提案している。

小堺内田は常に全力ですからね。ちなみに、果樹を植えるなら、ぶどうがオススメです。なるべく大きな果樹用の鉢を使っていただければ、2年くらいで見事に枝が広がりますよ。

建築のプロと一緒に物件を選び、リノベーションして自分たちの「小さな家」を手に入れたAさん。平米数ではなく、空間を立体として捉えてみたら、描いていた以上の豊かな暮らしが広がっていました。

企画:てまひま不動産 株式会社リブラン
⽂:原⼭幸恵(tarakusa)
写真:⼩賀康⼦

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