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暮らしスタイルマガジン
「てまひま手帖」

居住空間と繋がる「音楽室」

お客様インタビュー (更新: )
関連ワード: 防音

楽ではないけれど、楽しい暮らし“てまひま暮らし”を実践している人を訪ねる企画「てまひま暮らし人」。第10回は、編集部がリノベーション事業部の設計スタッフと宣伝部スタッフとともに、千葉県浦安市にあるお宅を訪ねました。

東京都交響楽団を始め、さまざまな音楽団のメンバーやソリストとして全国各地で活動するコントラバス奏者、髙橋洋太さん。「より優れた防音性能の部屋が欲しい」と、自宅の一部をリノベーションして音楽室をつくることに。そこには、音楽を暮らしの一部として感じるための工夫が詰まっていました。

音楽に集中できる理想の部屋

「とにかく明るい部屋にしたかった」と語る髙橋さん(左)。設計を担当した内田(中)と宣伝部スタッフが話を伺う。

宣伝部スタッフ素敵な音色……。思わず聴き入ってしまいました。

髙橋さんありがとうございます。この部屋にいると、短い時間でも集中して練習できます。

内田それは嬉しい。ピアニストの奥さまの反応はいかがですか?

髙橋さん「響きがちょうど良いね」と気に入っています。響きの加減を調節するのってすごく難しくて。響きすぎると耳がキーンとなるし、響きが残らないと強く弾いてしまいがち。部屋の吸音ボードは一緒に相談しながらセッティングしていただいたので、とても快適です。

編集部物件を購入したら音楽室をつくろうという計画は持っていらっしゃったんですか?

髙橋さん結婚して3年ほどは別の物件に住んでいたのですが、「いつか家を購入しよう」とは思っていて。時間をかけて、音楽を楽しみたいという自分たちの条件に合う物件をゆっくり探しました。

編集部楽器を演奏するとなると、物件の選び方も変わりそうですね。

髙橋さんそう。大きな楽器を車も使って運ぶため、駐車場付きの一階の物件が前提でした。加えて、コントラバスとピアノを置ける10帖以上の部屋が玄関の近くにあること。あとは子どもがいるので、なるべく妻の実家に近い場所にと思っていたら、この物件を見つけたんです。

およそ200年前に北イタリアで制作されたという名器。弓が弦の上を往復する度、空間に豊かな音が放たれていく。

編集部それから防音工事を施すことにしたんですね。

髙橋さんピアノは20時まで演奏可能というルールがありましたが、コントラバスは低音で音が響く上に、演奏で子どもが起きてしまいかねない。それでリノベーションと防音工事を一気にしようと何社か相談したのですが、引き受けてくれる会社がなかなか見つからなくて。それで、リブランの鈴木社長に相談したんです。

編集部もともとお知り合いだったんですか?

髙橋さん実は、僕の生徒なんです(笑)。リブランがサポートしていた三浦一馬さん(バンドネオン)のコンサートの打ち上げに鈴木社長がいらっしゃった時、「コントラバスを習いたい」と言われて、レッスンをすることになりました。防音工事について相談の電話をしたら、「うちだったら一気に請け負えるし、納期も短くできる。防音室のことも詳しいから任せてください」と言っていただいて。

内田リブランは自然素材を使った住宅づくりのほかに、24時間音楽演奏が可能な防音マンション「ミュージション」も手がけています。だから、防音性能に関しては長年蓄えたノウハウに評判があるんです。

髙橋さん「まさに僕のような音楽家にとってぴったりだな」と思いましたね。それで設計担当の設計スタッフさんとお会いしたんです。実は内田さんの奥様も声楽家で、何度か一緒に仕事をさせていただいたことがあって。音楽においての繋がりに驚きました。

ハードと暮らしのバランス

床材は楽器の色合いに合わせてウォールナットをセレクト。

編集部それにしても、この音楽室には陽がたっぷり入って気持ち良いですね。

髙橋さんこの明るさもこだわりのひとつ。オーケストラの奏者って、ふたりで1台の譜面台を見たり、離れた位置から楽譜を確認したりすることが多いんです。遠くにある細かい音符を追っていると目が悪くなることもある。だから、なるべく明るいデザインにしてもらいたかった。

内田予算内で一番良い部屋づくりに取り組むために、まずはミュージション設計担当の髙野と一緒に住宅向け建築音響製品を扱っている大建工業さんのショールームへ見学に行きました。天井と壁は室内の音を吸収して音の反響を抑えてくれる吸音パネルを貼って、窓はサッシを二重構造にすることで遮音性能を高めました。ラッキーだったのは、1階だから床の防音工事を削減できたこと。それから、湿気対策として壁紙に湿気を吸収してくれる効果のある自然素材の「竹クロス」を使うことにしました。

設計を担当した内田のスケッチ。書き起こしながらイメージを共有する。

遮音性能を高めるため、サッシは空気層を挟んだ二重構造。

髙橋さん湿気は楽器の大敵ですからね。それに、設計スタッフさんから提案してもらった窓付きの防音扉も気に入っています。この音楽室と居住空間の間で、音は遮断しながらも視界は繋げてくれる。練習中に息子が窓の向こうから覗いて来るのも良いなと。

内田音漏れを防ぐことも大切ですが、防音室とはいえ、暮らしに近い存在であってほしいというのが僕の願いなんです。最初は「防音室」という表記自体も好きじゃなかった。「音を防ぐ部屋」って、なんだかマイナスなイメージだなって。それよりも生活に溶け込む「音楽室」とか「音を楽しむ部屋」であってほしい。それで、あえてあの扉を選びました。

髙橋さん僕もいわゆる「防音室」のような閉塞感のある空間は嫌でした。ただでさえ練習嫌いなのに(笑)、窓も光も入らない部屋だともっと練習したくなくなる……。演奏者にとって「防音室」は、物書きの人にとって「書斎」のようなもの。本当は防音なんかせずに自由に演奏できるのが理想だけど、現実的には難しい。だから、その部屋に行くことで「さぁ練習するぞ!」と気持ちのスイッチを切り替えられる空間であって欲しい。

ライトレールの位置はピアノの譜面台にライトが当たるように調整可能。

内田目に見えない部分こそ、心に与える影響も大きいですからね。24時間演奏できる防音マンション「ミュージション」の発想って、鈴木社長の奥さんが自宅で演奏していてクレームを受けたことがきっかけなんですよね。自然素材を使った「エコヴィレッジ」も、普通のマンションなら壁紙にビニールクロスを使うところを、住み手側として「その素材を使うと本当に快適なの?」と問い直すことで生まれた。たとえ手間が掛かっても、住む人にとって良い環境を提供する。それがリブランのこだわりです。

家はつくりこみ過ぎない

「自宅でレッスンもするので、玄関から部屋までの動線が短い方がプライベート空間をしっかり確保できる」と髙橋さん。

宣伝部スタッフ普段はどれくらい練習されているんですか?

髙橋さん日によりますが、1時間だけの時もあれば、8時間以上籠もって練習する時もあります。それ以外はレッスンで使ったりしています。今は照明を選んだり、レッスンに来る生徒のために良い椅子を一脚置きたいと探してみたり。そうやって良い環境を揃えていくのも楽しみのひとつです。

編集部まだつくり続けている段階なんですね。

髙橋さんそうですね。全部最初に揃えてしまうと、「イメージが違う」ということが起こりやすい。やっぱり最初はつくり込みすぎず、生活に合わせながら徐々に整えたいなと。

内田家は、暮らすうちに刻々と変化する生き物のようなものですからね。子どもだって成長するし、家族の時間軸に合わせて変えることも大切。どんなに新しい家でも、時間が経てば徐々に自分たちの「色」に染まっていきますから。

髙橋さん目下の悩みは、照明をつける時にあんまり凝ったものを付けるとノイズが出たりすること。それを防ぐにはシンプルなものを選ばないといけないのですが、そうすると味気が無いデザインになってしまって……。

編集部つくった方が早い気もしますね。内田さんのオリジナルデザインで。

髙橋さんそれ良いですね。ぜひお願いします!

内田考えておきます(笑)。

暮らしの延長線上に音楽がある住まい。自然素材と遮音性能、ふたつのノウハウを持つリブランだからこそ叶えられる形があります。

 

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企画:てまひま不動産 株式会社リブラン
⽂:原⼭幸恵(tarakusa)
写真:⼩賀康⼦