私は売上の大小には興味がありません。だから数字のヴィジョンは社員には示しません。
時折、こんな会社でいいのだろうか…と思うこともありますが、それより「他者の人生を応援する」会社にした方が、社員もお客様も楽しいのではないだろか。その結果として売上が存在する会社にしたいのです。
エコヴィレッジもミュージションも、普通のマンションではありません。自然素材を分譲マンションに活用するデベロッパーはいませんし、遮音性能目標値を明示し賃貸マンションをつくるのも稀有なこと。このふたつのブランドは、家電や車両メーカーが新しい商品を開発するような感覚が必要で、「どんなシーンで使われる商品か」「誰に使ってほしいか」を徹底的に考え、その方のために組み立てていく感覚が必要です。
SONYは「歩きながら音楽を聴けるライフスタイル」をウォークマンで提案し、新たなマーケットを生み出す力を持っていました。技術を積み上げ、新たな発想で商品開発する素晴らしい社風の原点は、前身企業である東京通信工業株式会社の経営方針や設立目的の「経営規模としては、むしろ小なるを望み」、「最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」と、この二つの文にあると思います。
マンションは建築基準法を順守することは当然ですが、「建築基準法より良くつくる」という思想では、SONYのような「新しい暮らし方」を提案することはできません。
リブランの社風には、このメーカー的視点が色濃く反映されています。他社が採用しない自然素材や日射遮蔽装置も、遮音性能を高める様々な建築技術も日々向上しなければならない性質のもの。これはゼネコンの技術や発想を借りてできるものではなく、リブランという固有の企業が発想し、実物を通して試さなければつくれないのです。
「他者の人生を応援する」そんな商品であり、そんな会社でありたい。
エコヴィレッジやミュージションのお客様はもちろん、社員も会社で拾ったステ猫も全てが等しく生きている。「最高に面白い人生だった!」と、いのちを全うできるよう、業界の常識から少し外れて、もっとお手伝いできるような会社にしたいと思っています。
リブランの社員たちは、みんな個性的で大切な社員です。
その個性がいかんなく発揮できるよう、それがお客様にとってかけがえのない価値へと変わるよう、マネジメントしていきたいと思っています。
プロフィール:
1967年、東京生まれ。88年から大手分譲マンションデベロッパーに勤務。92年、株式会社リブランに入社。02年、同社代表取締役に就任。