住まいで使われる石の採掘場に行ってきました!

2014.10.17

戦前から産出し続けている採掘場は、元々「山」だった

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事業企画部の宮本です。

戸建住宅やマンションの企画設計の他、仕上げ材の選択も行っています。
仕上げ材を選ぶとき、カタログに掲載されているスガタカタチ(規格寸法)を見てサンプルをもらい、素材感や他の部分の仕上げと違和感がないかを確認し、材料の特徴はカタログに書いてある内容を確認してから決めていることが多いのですが、一方で「どんなところで、どういう機械や人がどんな作業をして、建物に使える仕上げ材となるのか…」という部分も知りたいと考えていました。

そんなことを考えていた矢先、自然石の採掘場を見学させていただく機会に恵まれました!
見学させていただいたのは、栃木県が産地である大谷石、深岩石、芦野石の採掘場です(写真は、大谷地区で採掘される大谷石の露天掘り風景です)。

高度経済成長期には、ここから一日に何十台ものトラックが大谷石を搬出し、地域の経済を支えていたそうですが、徐々に業者も減り、今では大谷石の露天掘りは、ココ一ヵ所だけになってしまったようです。

手前にある大型重機と比べると、その規模の大きさが感じられると思いますが、ここは元々「山」だったそうです。
岩場の頂に見える緑は、切り出した後に新たに生えてきた緑だと聞き、自然の生命力の強さと採掘場の歴史を感じました。

見学した日は、生憎の雨…。
切り出すときに出る石の粉(削りカス)が、雨水と混ざって足元はドロドロでしたが、物凄い迫力に圧倒されっぱなしで、靴がグチャグチャになってるのも気にせず、夢中で写真を撮ってきました。

 

 

ノコギリで床に切り込みを入れていく

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大きな円形の刃が付いたノコギリで床に切り込みを入れていきます。

石ですから、あっという間に切れる訳ではありません。
職人さんは、徐々に切れていく石をジッと黙って見つめています。

岩場に反射する音もあって、ノコギリが回る音は耳をふさぎたくなるくらい大きな音でした。

写真は、大谷石に見た目がソックリな深岩石の採掘場で、正面に見える壁は、深岩石のカタマリです。
縦と横に残ったノコギリの跡を見ると、ここで長い間、採掘が行われているのが分かります。

採掘は、石が崩れて来ないよう、階段状に少しずつ切り出していきます。

 

リズミカルにクサビを打ち込む

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ノコギリで切れ目を入れたら、次は職人さんが鉄のクサビをハンマーで打ち込んで、一枚一枚、手作業により岩場からはがしていきます(はがすことを「おこす」と言うそうです)。
職人さんのリズミカルで巧みなハンマーさばきは、見ていて気持ちが良かったです。

余りにも簡単そうにやるものだから、私もやってみたくなって実際にやらせていただきました(笑)。
まずは、手渡されたハンマーが重たい!!
そして、ハンマーをクサビに命中させるのがとても難しく、職人さんのようにリズミカルになんて全然できない。
できないどころか、石の側面にハンマーが当たって傷だらけになってしまいました(商品価値を落としてしまってゴメンナサイ…)。

私のヘッピリゴシな写真は余りにも醜かったので掲載を控えさせていただきます…苦笑。

 

 

町並みに統一感と品が生まれる

 

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大谷石は、柔らかいことから加工がしやすく、空隙が多いことから他の石に比べると運搬がしやすいそうですが、一方で摩耗しやすく、ヒール靴だと歩きにくいなどのデメリットがあります。
そのため、今では床の舗装に使うのを嫌う方も多いようです。

しかし昔の人は、耐火性に優れ、吸放湿性がある大谷石のメリットを活かし、建物や倉庫の外壁や装飾、塀や床の舗装などに使用してきました。
そんな大谷石で作った建物が残る地区を歩いていると、統一された町並みに品が感じられ、昔の人の材料との関わり方に豊かさを感じました。

自然素材は、何十年、何百年…あるいは何千年、何万年かかって建築材料として使えるようになるものもあります。
材料の持っている時間の重みをよく理解した上で、今後も自然素材との関わり方を自分なりに考えていきたいと考えています。

 

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「なぜ、新築マンションには自然素材が使われないのか」

よろしかったら、お読みください。