キャンプをされる方は多いと思いますが、夜の暗さと対照的な月や星の明るさ、想像以上にまぶしいランタンの光に驚いたことはないでしょうか？「暗さがあるから明るさがある」という単純なことに気づくと同時に、何か忘れていた光景を思い起こさせてくれる体験ですね。

翻って、現代のマンションの空間はどうでしょう。暗がりが無いと思いませんか？オフィスのように隅々まで明るく、どこでも新聞が読める。まあ便利といえばそうかもしれませんが、なんか豊かさを感じないのは私だけではないでしょう。

この写真は当社でリノベーションさせていただいた中古マンションのお部屋です。「暗っ」と思われたそこのあなた。自分がこの夜の空間に入ったと想像してみてください。お酒を飲みながらソファに横になって本を読む。その豊かな時間を楽しむためにはこのくらいの明かりで十分ではないでしょうか。もちろん全体を照らすための明かりもつけられますが、その状況に合わせて「暗さ」と友達になってみる。Hello darkness,my old friend～なんかサイモンとガーファンクルのサウンドオブサイレンスの世界ですね。

寝室も同様。寝るための部屋に煌々とした明かりは必要ないでしょう。壁につけたスポットライトも天井に反射させて柔らかい光を落としています。（調光も可能です。）ヘッドボードに背中を持たせて、奥様と二人、夜の帳を楽しんでみてはいかがでしょう。

LEDランプが身近になってきましたね。やっぱり白熱灯とは違うと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、素晴らしい発明だと思います。でも、効率だけを求めるのではなく、効果を考えてみてください。欲しいのは「光」であって「器具」ではないのですから。