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中古マンションとリノベを学ぶ

好きな時間をいつまでも。リブランの防音技術で叶えたBarがある暮らし

お客様インタビュー (更新: )

楽ではないけれど、楽しい暮らし“てまひま暮らし”を実践している人を訪ねる企画「てまひま暮らし人」。第20回は、編集部がてまひま不動産 営業スタッフと設計スタッフとともに、東京都世田谷区にあるお宅を訪ねました。

YOSHIさんとANさんご夫妻が購入されたのは、1971年に建てられた古い団地の中古物件。趣味のピアノやギター、サックスを演奏できて、お酒を楽しむBarカウンターがあって……。そんな理想の暮らしを叶えるために細部までこだわり抜いたリノベーションについてお話を伺います。

公園から住む場所を探す

Barルームは防音室仕様のため、楽器の演奏も可能。おふたりが集めた洋酒やレコードが壁一面に並ぶ。アーチ型の壁の奥は本棚。

編集部わぁ、まるで映画に登場しそうな雰囲気のある空間ですね。

YOSHIさんありがとうございます。家に遊びに来る友人や家族の反応を見るのが楽しみで、みんな「本当に団地のなかなの?」と驚いてくれます。

ANさん私も、色んな人に写真を見せてしまうほど気に入っています。

編集部おふたりはもともとこのエリアにお住まいだったんですか?

YOSHIさん結婚するまで妻は実家、僕は西荻窪の1Kの賃貸に4年ほど住んでいました。結婚を機に、広い賃貸への引っ越しかマンション購入かを考えたんですが、妻がどうしても「自分の家が欲しい」と言っていて。

編集部奥さまは賃貸ではなく、購入希望だったんですね。

ANさんはい。私たちふたりとも音楽とお酒が趣味なので、自宅で楽器演奏ができて、お酒も楽しめるBarルームのある空間に憧れていました。両方叶えようとすると、リノベーションに制限のある賃貸ではなかなか難しい。それなら家を買った方が良いんじゃないかなと思ったんです。

左から設計スタッフと営業スタッフ、ご主人のYOSHIさんと奥さまANさん。部屋の中央にあるダイニングキッチンで話を伺う。

YOSHIさん僕もそんな空間があったら良いなと思っていましたが、お金もたくさん掛かるだろうし、その時はまさか叶えられるとは思っていませんでした。

ANさんその頃の私たちは、家を買うといえば新築かリフォーム済みの中古物件を購入するというイメージで、中古物件を購入して自分好みにリノベーションできるなんてことも知らなかったしね。だけどある日、彼の住んでいたマンションにてまひま不動産のチラシが入っていて、セミナーが開かれていることを知ってすぐに参加したんです。

営業スタッフ最初はANさんだけいらっしゃいましたよね。てまひま不動産が手掛けた物件の施工写真をお見せしたところ、築年数の古いマンションをリノベ―ションした様子が特に印象に残られていましたね。

ANさん「こんなにおしゃれにリノベーションできるんだ!」って衝撃を受けました。自分たちが描いている空間を叶えられて、予算も思ったより現実的。帰ってすぐ夫に話しました。

YOSHIさん僕は最初は乗り気じゃなかったのですが、妻から話を聞くうちにリノベの世界に惹き込まれていきました。

ANさん最初は何社か比較した方が良いかなと思ったのですが、結局てまひま不動産一本で進めることにしました。何度も打ち合わせに通うことになるだろうと思うと近所の方が便利だし、何より最初に営業スタッフさんに見せていただいたてまひま不動産の施工写真に感動したので、ぜひお願いしたいなと。

編集部そこから物件探しが始まったんですね。どんな条件で探されていたんですか?

YOSHIさん僕は自然豊かな田舎で育ったので、緑のある大きな公園が近くにあることがポイントでした。最初は職場へのアクセスも考えて中央線沿線を希望していたのですが、価格がちょっと高かったので、営業スタッフさんと相談して西武線や京王線までエリアを広げて探すことにしたんです。安く買って、浮いた分はリノベーション費用にかけようと。

ANさん私も夫と同じで、整備された綺麗な公園が近くにあると良いなと。沿線の公園を調べるなかで直感的に「この周辺のエリアが良い!」と思ったのが今の場所です。

営業スタッフ公園から住む場所を探されるのは珍しいパターンでしたね。奥様からのご要望で公園からも近いこの団地をご案内したのですが、当時は団地内で売り出されている部屋がここを含めて3部屋あったんです。他のお部屋はリフォーム済みで、この部屋だけ建設当時の状態のまま。てまひま不動産の設計士も内見に同行して、一緒に状態をチェックしました。

設計スタッフ当時のお部屋は砂壁と畳で、電気もつかなかったので薄暗い印象でしたが、おふたりは即決でしたよね。この状態で迷うことなくご決断されたことに、内心驚きでした(笑)。

編集部決め手となったポイントはどこだったんでしょう?

YOSHIさん確かに築年数が古いけれど、それを差し引いても魅力ある物件だと思ったんです。ふたつの駅から5〜7分でどちらの駅も使える立地の良さや、都内であることを忘れるほど窓から木々の緑が見えて綺麗なことが大きかったですね。ラッキーなことに、引っ越してから最寄りの駅が特急の停車駅に変更されたので、今後地価も上がっていくんじゃないかと期待しています。

テーマを決めて設計やデザインに落とし込む

リビングにて。カーテン代わりにご夫妻が選んだのはステンドグラス。外から差し込む光が柔らかに空間に広がる。

竣工後のBarルーム。扉はガラスの引き戸を採用。「室内で演奏するだけでなく、ダイニングから鑑賞できるショーケースのような空間にもしたかった」とYOSHIさん。

編集部デザインや間取りのプランはどのように決めていったんですか?

ANさんヒアリングからラフ案を起こしていただくところから始まりました。一番の希望は、やっぱりBarルーム。あとは、ソファなど置きたい家具からもイメージを膨らませたりしました。

設計スタッフBarルームを防音室仕様にするにあたっては、リブランが手がける24時間楽器演奏可能な防音賃貸マンション「ミュージション」の高い防音技術を応用しました。室内では音が聞こえますが、天井と壁に断熱材と吸音材を入れているので、近隣住戸への音漏れを軽減しています。

ANさん家のなかで演奏してもそんなにうるさくなくて、完全に窓を締めれば外にもほとんど聞こえません。

編集部それは素晴らしいですね! それに空間のデザインもとても素敵。

YOSHIさんこの部屋は完全に妻のディレクションです。僕は全面ガラス張りにして、360度どこから見てもこの部屋が見えるオブジェのような部屋を希望していたのですが、妻がどうしても壁はつくりたいと。

ANさん全部ガラス張りにすると、Barの隠れ家のような雰囲気がなくなって、ただの音楽室に見えてしまうと思ったんです。だからそこはどうしても譲れませんでした。お酒を置くボトル棚の段数や幅は、設計の設計スタッフさんと相談しながら決めましたね。

設計スタッフ大きなボトルも多そうだったので「一升瓶も置ける高さに調整しましょう」と提案しました。特別な空間と感じられる演出として、ボトル棚の背面の壁紙には青と金地のダマスク柄のクロスを敷きました。

Bar(防音室) とリビングをつなぐ通気窓。風が部屋じゅうを流れる設計に。

造作棚には落下防止用にアイアンバーを設置。ご夫妻で空間に合う色に棚を塗装した。

編集部お部屋全体の内装はどのように決めたんですか?

ANさん図書館に行って、インテリア雑誌をたくさん借りてきたり。モダンなデザインより、大正ロマンの独特な雰囲気が好みなので古い雑誌を参考にしたり、PinterestやInstagramで情報を集めたりしながらイメージを膨らませていきました。

設計スタッフ全体のカラーリングは、キッチンの色から決まっていきましたね。一緒にショールームに見に行った時、ブルーグリーンのキッチンを見たおふたりが「これだ!」と即決されて。

ANさんそう、このキッチンには、もう、ひと目惚れでしたね。「これ以外ない」って。

バルコニーに通じる窓はガラスが黄ばみサッシも古びていたため、外装工事をせずに既存窓枠の上から性能のより高い新しい窓をかぶせるカバー工法で新設。朝ゆっくりとバルコニーでコーヒーを飲むのがおふたりの日課だそう。

こだわり抜くことを楽しむ

編集部カーテンではなく、ステンドグラスの窓というのも珍しいですね。

YOSHIさん気付いちゃいました? カーテンがあまり好きではなく、それ以外の方法で目隠しを考えた時、思い付いたのがステンドグラスだったんです。和と洋を融合させた大正ロマンのイメージにステンドグラスは合いそうだなと。

色ガラスは設計士が選んだものを、ANさんと相談しながらデザインに落とし込んだ。

設計スタッフステンドグラスは木枠をつくり、取り寄せたガラスを予算のバランスを見ながらANさんと一緒に何度も切り貼りして組み合わせを考えました。最終的に互い違いに並べた格子状のデザインになったのですが、職人さんも設置に苦労しながら美しく仕上げてくれました。引き渡しの直前になんとか完成して良かったです。

ANさん組み合わせのバリエーションがすごく多くて、考えるのが楽しかった。こだわり抜いて、そのこだわりを叶えてもらえたので満足です。

編集部おふたりの理想が詰め込まれたお部屋ですが、逆に諦めた部分はありますか?

YOSHIさんスペース的に諦めたのは土間ですね。キャンプグッズや自転車が置けるというのはすごく良いなと思っていましたが、スペースの都合で今回は手放しました。その代わり、寝室にロフトベッドを造作して下を収納にしました。

ANさんそれ以外は、構造上できることとできないこと、手を入れなければならないところがはっきり分かれていたので、設計士さんに相談しながらプランを考えることができました。

間取り図のBeforeとAfter。部屋の中心に通る大きな梁は構造上動かせないため、それを活かしたプランづくりに。洗面所の奥にあったトイレは廊下側に移動。浴室は既製品が入らず、オーダーメイドの浴槽を選んだ。

設計スタッフ築年数が古い建物なので、実際に工事に着手すると予想外の部分も多く、構造上プランを変更せざるを得なかった点はいくつかありました。例えば、当初は水回りのスペースを広めに配置も変える予定でしたが、マンション管理組合に確認したらトイレと洗面所の間の壁は動かせないことが分かったんです。どうしても奥にあったトイレだけは廊下側に移動したかったので、そこは配管の位置を調整して解決しました。家の中心に通る大きな梁も構造上動かせなかったので、リビングとダイニングをゆるやかに分ける仕掛けとして使うことで、マイナスの要素をプラスへと転換しました。

YOSHIさんあとは、建物の規約で1戸あたりの電気容量の制限があったので、食洗機をつけるためにIHを諦めたりしたくらい。色々な制限があるなかで工夫していただいて、設計士さんには感謝しています。

キッチンと寝室に通気窓を設置することで、寝室や隣接するクローゼットにも風が流れ、湿気を防ぐ。ダイニングキッチンの天井にはライトレールを設置し、どこにテーブルを置いても照明の位置を調整できるようにした。

寝室は収納場所の確保のためロフトベッドに。ベッド下には趣味のキャンプ用具を収納。

編集部引っ越されて数ヶ月経ちましたが、住み心地はいかがですか?

YOSHIさんもう大満足ですね。やりきってよかったと日々思っています。とにかく外出が減って、家にいる時間が増えました。

ANさん外に飲みに行くよりも、何を作ろうか話しながらふたりで料理を作ってゆっくりお酒を楽しむ時間が楽しいよね。憧れていたBarルームでお酒を飲む時間は至福の時。朝はベランダに出て、ゆっくり緑を眺めながらコーヒーを飲んでいます。

右)リビングに入る扉は、視界の広がりを保つためにガラスタイプをセレクト。廊下と洗面室は縦型のバーチカルブラインドで仕切ることにより、扉のスペースを削減した。左)「お化粧は座ってしたい」というANさんの希望のもと、洗面台に椅子が収納できるタイプを選んだ。

編集部それは素敵ですね。

ANさんいくつかのパターンの中からデザインを決めるのかな?と思っていたので、ここまで自由にデザインを決めさせてもらえるのは嬉しかった。楽しみながら、理想通りにリノベーションできました。

出会いはBarだったというご夫妻。美味しいお酒と心地良い音楽を、家だからこそ好きなタイミングで好きなだけ楽しめるという幸せ。

築年数の古さよりも自分たちが暮らしたい環境を優先したことで、理想の住まいを手に入れたご夫婦。趣味を思う存分楽しめる防音Barルームは、一から考えるリノベーションだからこそ叶えられたこと。長い年月をかけてゆっくり熟成するウイスキーのように、豊かに変化するお家のこれからが楽しみです。

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企画:株式会社リブラン
編集:原⼭幸恵(tarakusa)
⽂:立脇あゆみ
写真:土田 凌(提供写真以外)