熊本地震被災地支援「仮設住宅×緑のカーテン」プロジェクト①

report2017.10.19

 みなさま、こんにちは。

 リブランが支援するNPO法人緑のカーテン応援団(理事長:鈴木雄二)の被災地での取り組みをご紹介したいと思います。数回に分けての投稿となりますが、どうぞお付き合いください。

熊本県・大分県で大地震が発生

 2016年4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震央とする気象庁マグニチュード6.5の地震が発生し、熊本県益城町で震度7を観測した。余震が警戒される中、その28時間後の4月16日1時25分には、同じく熊本県熊本地方を震央とする気象庁マグニチュード7.0の地震が発生し、西原村と益城町で震度7を観測した。14日の規模を上回る想定外の地震が16日に発生したことを受け、気象庁はこれを本震とし、14日は前震であったという見解を発表した。

 気象庁マグニチュード7.3は、1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)と同規模の大地震であるが、その大地震が立て続けに2度も発生したのである。 

 今から128年前にも熊本市一帯を強い地震が襲っている。今回被害が集中した益城町、宇城市、熊本市一帯など、明治(1889年)の被災地とも重なる。規模もほぼ同じ。余震が激しく堅牢さをほこる熊本城の石垣「武者返し」が何か所も崩れたという。

 

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 写真は、今年の5月13日早朝、熊本城の立ち入り禁止ではない場所から撮影。

 大きな人的被害が発生、失われた尊い命

 倒壊した住宅の下敷きになった人や、土砂崩れに巻き込まれた人など、多くの方々の尊い命が奪われてしまった。熊本県では、直接この地震によって50人の方々が亡くなり、その後も地震に関連して197名にも上る方々が亡くなられている。負傷した人の範囲は、熊本県、大分県だけでなく、佐賀県、福岡県、宮崎県にも及び、2783人となっている。避難者の数は、183,882人。被害総額は、推計で4.6兆円と発表されている。数字はいずれも2017年8月14日現在のものである。

「仮設住宅×緑のカーテン」プロジェクト

 熊本での活動の前に東日本での活動があった。

 NPO法人緑のカーテン応援団(以下、応援団)は、東日本大震災を受け、2011年3月下旬、臨時理事会を招集し、被災された方々が避難する仮設住宅へ、3年間で3万戸を目標に緑のカーテンをお届けするためのプロジェクトを実施することを決定した。

 避難生活を余儀なくされた人たちは、被災による悲しみ、苦しみを抱えながら日々を過ごさなければならない。その仮設住宅には、夏場の強い日差しを防ぐ庇はなく、断熱的配慮も薄く、住宅の温熱環境としても決して良好とはいえない。エアコンが設置されたとしても、夏のエネルギー供給が逼迫する中、被災された方々がそれをふんだんに使い涼しい環境に浸るとは考え難い。大津波は、福島第一原子力発電所をも容赦なく襲ったのである。

 その悪夢は日本国内だけでなく、世界の人々の記憶から消えることはない。いや、消してはいけないのだ。こうした今も、ふるさとへいつ帰還できるかわからない多くの人々がいることを忘れてはならない。

わが国のNPO

 1995年に起きた阪神・淡路大震災でのボランテイア活動の成果を受け、日本にはなかったNPO法案を法制化しようと1998年3月「特定非営利活動促進法」が議員立法により制定された。そして、従来のボランティア・市民活動団体は法人格を取得できるようになった。その法人格とは、特定非営利活動法人、すなわちNPO法人である。

一人ひとりの想い

 応援団は、2006年NPO法人として認証を受け2007年に設立。以来全国で活動を続けてきた。だから、応援団のメンバーは、緑のカーテンの持つ力を知っている。

 緑のカーテンによって、少しでも涼しく過ごしてほしい。緑のカーテンを育てることで、お隣さん同士が仲良くなって、少しでも前向きに、明るい気持ちになっていただけるのではないか。

 それぞれが、その力を信じ、被災地への想いを緑のカーテンに託したのである。

 

 あの時、日本国民の一人ひとりが、いや世界中の人たちが、何か自分にできることはないかと考えたのと同じように、応援団のメンバーたちも何かせずにはいられなかった。

 仮設住宅への緑のカーテン設置には、必要な物資とそれを設置するボランティアが必要である。当然設置数が多ければ多いほど、費用も人数も拡大するが、収益事業を行わないNPOである応援団には、潤沢な資金があるわけではない。

 当初の活動資金は、応援団理事の企業経営者から頂戴した大型寄付だった。そしてその後、その想いが拡散すると、心ある人々、企業から、たくさんの寄付が寄せられた。物資提供を申し出てくださる資材メーカーや種苗会社もあった。

 被災地へ心を寄せる方々のご支援と多くのボランティアの参加を得て、プロジェクトはスタートし、その後5年以上の歳月に渡り進行していったのである。

理事長鈴木雄二による報告書

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次回は熊本での活動をご紹介します。

②へつづく
②はこちら https://www.livlan.com/blog/2017/11/14/3242/
(総務部 太田)