条件クリアは1%?プロが教える、本当に価値ある『1階庭付きマンション』の探し方【スタッフインタビュー#1】
こんにちは、宣伝部スタッフです。
今回からシリーズでお届けする、『てまひま不動産の裏側をお届け!スタッフにインタビュー』
てまひま不動産のリノベーションは、LDKG(ガーデン)で叶える「深呼吸したくなる暮らし」がコンセプト。
それを実現するため、あえて一般的にネガティブに捉えられがちな「1階庭付き」物件に着目し、
仕入れ・設計を行っています。
第1弾は、仕入れ担当のカトウさんにお話を伺いました。
「1階庭付き」の仕入れの大変さとやりがい、そして「1階庭付きだからこそ実現できる暮らし」の魅力とは。
地道な作業で見つけ出す。「本当に良い庭付き物件」の条件
Q.「1階庭付き」に特化して物件を探す(仕入れる)のは、大変ですか?
A.想像していた以上に大変です。
2025年の9月頃から本格的に1階庭付き物件に絞って探し始めたのですが、「こんなにも少ないのか」と驚愕しました。
商圏としている首都圏・東京都下エリアで販売されている中古マンションのうち、1階住戸そのものの割合はおよそ10%程度です。しかし、そこからさらに「庭付き」となると数はぐっと減ります。
しかも、私たちが求めているのは、単に庭が付いている物件ではありません。
庭に十分な開放感があるか、逆に開放感がありすぎて道路や隣地からの視線が気にならないか、植栽の状態はどうか、実際に庭で過ごしたくなる環境か。そうした条件が細かく重なっていきます。
その結果、「これは検討の土台に乗る」と思える物件は、全体の5%程度ではないかという感覚です。
条件の良い庭が見つかったとしても、ようやくスタートラインに立ったに過ぎません。
そこから仕入れ価格は適正か、再販として成立するのか、エリアの需要や相場とのバランスはどうか、販売時期として適切かなど、事業として成立するかどうかの判断が待っています。
さらに、1階ならではのチェックポイントとして欠かせないのが、ハザードマップの確認です。浸水想定が深くかかっているエリアの仕入れについては、慎重な判断をしています。ただし、一律に除外するわけではありません。たとえハザードがかかっていたとしても、浸水想定深さに対して住戸の床面が十分に高く設計されていれば、検討できるケースもあります。(実際はかなり少ないですが…)
川沿いなど、リスクの要因が目に見える場所であれば比較的早い段階で判断できます。しかし、東京には意外なほど「暗渠(あんきょ)」が多く存在します。暗渠とは、かつて河川だった場所が現在では道路や緑道として整備されている場所のことです。こうしたエリアは、大雨の際に浸水リスクが高まることがあり、ハザードマップ上でも該当しているケースが少なくありません。
そう考えると、最終的に残る物件は、全体の1%程度となる為、「千三つ」どころか大量の干し草の中から1本の針を見つけ出すような地道な作業だと感じています。
Q.仕入れのプロから見て、「本当に良い1階庭付き物件」の条件とは何でしょうか?
A.その庭で実際にどんな時間を過ごせるかだと考えています。
「何㎡以上あれば良い」といった広さに注目されがちですが、私自身は面積そのものに明確な基準は設けていません。もちろん広さは魅力の一つですが、それ以上に大切なのは、その庭で実際にどんな時間を過ごせるかだと考えています。
例えば、既存の植栽が豊かで季節の変化を感じられるか。周囲の建物や道路からの視線が気にならず、適度なプライバシーが確保されているか。雨の日でも使いやすいように屋根のかかったテラス部分があるか。家庭菜園やガーデニング、読書や食事など、「庭のある暮らし」を楽しむうえで弊害となる要素がないかを見ていきます。
広さがあっても、人目が気になって落ち着かなかったり、使い勝手が悪かったりすると、その庭は次第に「何もしない庭」になってしまいます。逆に、コンパクトな庭でも居心地が良く、自然と外へ出たくなる空間であれば、暮らしを豊かにしてくれる存在になります。
意外と重視しているのが、「今の住まい手がその庭をどのように使っているか」という点です。専用庭の使用範囲は管理規約で定められていますが、実際の暮らし方まですべてが決められているわけではありません。
丁寧に手入れされた花壇、季節の野菜を育てるプランター、子どもの遊び道具や小さなベンチなど。そうした痕跡には、その庭が持つ可能性や楽しみ方のヒントが詰まっています。前の住まい手の工夫は、これからその場所で新しい暮らしを始める人へのバトンになります。
私たちにとって本当に良い1階庭付き物件とは、「広い庭がある物件」ではなく、その庭で自然と過ごしたくなり、日々の暮らしが少し豊かになる情景を思い描くことができるかどうかだと思います。
欠点よりも可能性を見る。豊かな暮らしを生み出す視点
Q.古い物件(リノベ前)を内見する際、「この1階なら、てまひま不動産で最高の暮らしが作れる!」と確信するチェックポイントはどこですか?
A.「今、何が足りないか」よりも、「この住まいはどんな暮らしに変われるだろうか」です。
動線の悪さや風通しの悪さなど、「改善できそうな余地」が多い物件ほどワクワクします。
築年数の浅い物件は、すでに間取りや設備が完成されていることが多く、リノベーションによって暮らしを大きく変える余白が少ないと感じるからです。
特に庭と室内の関係性がとても大切でせっかく魅力的な庭があるのに、リビングからその景色を十分に楽しめなかったり、庭へ出るまでに遠回りが必要だったりすると、「ここはもっと良くできる」と想像が膨らみます。
間取りを少し変えるだけで庭を眺めながら過ごせる時間が増えたり、ふと外に出てコーヒーを飲んだり、子どもが遊ぶ様子をキッチンから見守れたりするかもしれません。
単に古いものを新しくするのではなく、その住まいが本来持っているポテンシャルを引き出し、庭のある暮らしを日常の中心に据えられるかを大切にしています。
内見の際は、「今、何が足りないか」よりも、「この住まいはどんな暮らしに変われるだろうか」という視点で見ています。
Q.周辺環境(外の緑、静かさ、街の雰囲気)と物件の庭をどう連動させて考えていますか?
A.庭は単なる屋外スペースではなく、その土地ならではの環境を暮らしに取り込み、日常をより豊かにするための大切な装置だと考えています。
庭を考える際に「周辺環境との関係性」をとても大切にしています。
例えば、リビングや洋室の窓の先に公園や緑道などの豊かな緑が広がる立地であれば、窓そのものを“額縁”として捉えます。窓越しに見える景色は、四季の移ろいによって表情を変える一枚の絵画のような存在です。本来であれば遠出をしなければ味わえない季節の変化を、日常の中で間近に感じられる特等席となります。
一方で、周辺に緑が少ない都心部の立地では、庭そのものが大きな価値を持ちます。外に自然がないからこそ、自分だけの特別な居場所として庭を設え、木々や草花に触れながら心を整えることができる。都会の喧騒の中にありながら、ふっと肩の力を抜ける「都心のオアシス」を住まいの中に生み出せるのが、庭の魅力だと思っています。
どちらの場合も、庭は単なる屋外スペースではなく、その土地ならではの環境を暮らしに取り込み、日常をより豊かにするための大切な装置だと考えています。
「仕方なく」から「だから選ぶ」へ。不動産の常識を書き換える挑戦
Q.一般的には「上階の方が人気」と言われがちな不動産業界で、あえて「1階」の価値を掘り起こすことへのプライドややりがいを教えてください。
A.ワクワクすることがしたい。「仕方なく1階を選ぶ」のではなく、「だから1階を選びたい」と思ってもらい、いつか、「庭のある1階がいいよね」が新しい常識になること。その価値観を書き換えていくことに、私は大きなやりがいとプライドを感じています。
とにかく「ワクワクすること」をしたいと思っています。そして、そのワクワクに共感してくれる人、むしろ一緒に企てる“共犯者”を増やしていきたいと思っています。
不動産業界には長年、「角部屋」「南向き」「2階以上」が良いという常識があります。
もちろん、それらが魅力的な条件であることは間違いありません。でも、本当にすべての人にとって、それが正解だとは限りません。
角部屋は外気による強い影響がありますし、上階には眺望という魅力がある一方で、地面との距離が生む不便さもある。どんな住まいにも、必ず良い面とそうでない面の両方があります。
それなのに、「1階だから安い」「2階以上だから高い」という価格の序列だけが、いつの間にか当たり前のように受け入れられてきました。私は、その考え方にも少し違和感があります。
もちろん市場としての評価は存在します。しかし、不動産があまりにも金融商品として扱われすぎた結果、本来の「住まい」としての価値が置き去りになってしまっているように感じています。
本来、住まいの価値とは、そこでどんな時間を過ごせるか、どんな景色を眺め、どんな暮らしを営めるかによって決まるものではないでしょうか。朝、庭に出て植物に水をあげること。子どもが土に触れて遊ぶこと。休日にテラスでコーヒーを飲みながら季節の風を感じること。そうした何気ない日常の積み重ねこそが、暮らしの豊かさだと思っています。
だからこそネガティブに捉えられがちな1階の価値を掘り起こし、リノベーションによって課題を解決し、もともと備わっている魅力はさらに引き上げることで、「1階だからこそ実現できる暮らし」を提案していきたいと思っています。
価値というものは、もともと存在しているだけでは十分ではありません。その価値に誰かが気づき、共感し、「こんな暮らしがしたかった」と思ってもらえて初めて、本当の価値になるのだと思います。
「仕方なく1階を選ぶ」のではなく、「だから1階を選びたい」と思ってもらえること。そしていつか、「庭のある1階がいいよね」が新しい常識になること。その価値観を書き換えていくことに、私は大きなやりがいとプライドを感じています。








