1階の弱点を『心地よさ』に変える!設計担当が語る、庭付きマンションリノベの極意【スタッフインタビュー#2】
こんにちは、宣伝部スタッフです。
シリーズでお届けしている、『てまひま不動産の裏側をお届け!スタッフにインタビュー』
てまひま不動産のリノベーションは、LDKG(ガーデン)で叶える「深呼吸したくなる暮らし」がコンセプト。
それを実現するため、あえて一般的にネガティブに捉えられがちな「1階庭付き」物件に着目し、
仕入れ・設計を行っています。
第2弾は、設計担当のウチダさんにお話を伺いました。
設計する上で意識していることや想い、そして「1階庭付きだからこそ実現できる暮らし」の魅力とは。
2階以上との違いはココ!コンセプトを実現する空間づくりのこだわり
Q.「1階庭付き×深呼吸」をデザインする上で、2階以上の部屋と決定的に違う「設計の主役」は何ですか?
A.屋根がない部屋のように使える「庭」です。

マンションの外部空間のうち、1階は「テラス」、2階以上は「ベランダ」「バルコニー」といいます。1階に多い「テラス」の「テラ」というのは、ラテン語で「大地」とか「地球」という意味 があります。
ベランダは屋根があって、洗濯物を干す場所というイメージが強い。避難のことも考えて、安易に固定したものを設置できない。
一方で、1階は庭がある確率が高いので、より広く室内と繋がったようなイメージで作ることが、深呼吸というか、ゆったり暮らすっていうことにも繋がります。土のある部分で、大地というか、地球と繋がっているような意識は、すごく大事にして計画するようにしています。
そこで、デッキを敷くときも、室内と高さを揃えてみたり、 板の幅を揃えてみたりすることをやっています。
また、1階だと2階よりも屋外の部分が広いので、屋根がない部屋としてアクティビティを楽しめるように計画しますね。「住む人がやりたい行為を叶えられるように、イメージしながら設計する」ということがポイントになるのかなと思います。
まとめると、庭が主役ということです。ただの庭というよりも、部屋と繋がった「屋根がない部屋」みたいな使い方をするような庭。そこに、芝生を敷いたり野菜を植えたりすることもあるかもしれないと。
LDKG の 「G(ガーデン)」 をそういう風に捉えて設計しています。
Q.深呼吸につながりそうな「開放感」を出すためにこだわっているディテール(窓、床材、動線など)を教えてください。
A.素材などの連続性を意識しつつ、「古民家」や「森林浴」をヒントに考えています。
さきほど申し上げた通り、床とデッキの高さや板の幅、色味を揃えることが1つですね。幅も部屋の中の無垢床の幅とほぼ同じくらいにすることで、より繋がり感をつくるということは常に意識しています。もちろん既存の状況により、その通りにはできずに縁が切れちゃうこともありますが、基本はなるべく繋がるように設計することを心がけています。

また、広がりを感じるってことで言えば、緑のカーテン講習会でも説明していますが、「遠景」・「中景」・「近景」という考え方がありまして。建物の外にある緑(例えば、共用部や近隣の公園の緑)と部屋の中を繋ぐ時に、ちょうど庭やテラスの部分っていうのは「中景」の部分になるわけです。そこに、緑のカーテンや鉢植えを設置することで、緑の連続性が生まれる。
かつ、1 番近い手元のリビングとかダイニングにも、観葉植物を置いたり上から吊ってみたりすることで、外と内が連続的に繋がるようなことを意識すると「奥行感」が生まれるんです。

他にも、古民家によくある屋外的なスペースを参考にして、「土間」を設けることもあります。
昔は土間が屋内作業場みたいになっていて、例えば米作りをしている家だったら、稲わらから草鞋(わらじ)づくりをしたり、子供がその囲炉裏のところからそれを見ていたり。まさに、内と外とが繋がっている空間でした。
そこで、最近のマンションでも、玄関を固定した小さなスペースにするんじゃなくて、ちょっと広がりを持たせて、土足でも使えるスペースにするケースが多い。
ただ上層階でそのスペースを作ると、靴の音とかが下の階に響くからあんまり広げられないですが、 1階はまだやれる可能性があるわけです。
だから私の中では、マンションの一室の中に古民家を入れるみたいなイメージです。
そして、部屋の中に森をつくるということも考えています。
直接的に言えば、木をなるべく使うこと。フローリングだけじゃなくて、壁にラワンを貼ることもあります。内装制限には考慮しつつ。
また、暗い森の樹間から明るい草原(庭)を見るように、明と暗の空間の対比を意識しています。
深呼吸したくなるときを想像すると、森林浴で感じる「1/fゆらぎ」 と繋がることだから、意識の中では森を部屋の中に入れるようなイメージを大切にしています。
1階の弱点を「心地よさ」へ変換する設計
Q.1階特有の「ジメジメした湿気」や「暗さ」、「プライバシーの確保(外からの視線)」に対して、どのような設計上の工夫(てまひま)を凝らしていますか?
A.風通しや視線を自然の力でコントロールしつつ、1階ならではの「暗さ」はあえて活かして空間に奥行きを持たせています。
最近雨が多くて湿気があると、そこにカビが生えてしまうことがありますよね。なので、間取りを工夫して、風通しとか換気を良くするっていうのはまず考えています。

それと、暗さということに関しては、あえてその暗いのを活かすように設計しています。
最近リノベした物件でも、玄関結構暗くしてリビングを明るくすることで、部屋の中でグラデーションが生まれます。
昔の蛍光灯が出たばっかりの時は、照明1つで明るくするみたいなこともありましたが、今は色々な照明が出てきて変わってきているので、あえてそういう落ち着いた空間にするために上手く使っています。例えば、狭いところを落ち着く空間にして、逆に広いところと対比的にするとかですね。光のコントロールをしています。

外からの視線でいうと、生垣とか、建築的には季節によりますが、緑のカーテンを設置できるようにして、機能的に涼しくするだけじゃなくって、視線を遮るとかですかね。

塀を作るということはできないから、難しいですね。庭を繋げて作るってことは当然そういう弱点をうまく対応しなきゃいけないですよね。視線をうまく遮えることでいうと、タープ(庇)やパラソルを設置するとか。これからも考えていきます。
Q.天然素材や無垢材など、「深呼吸したくなる」空気感を作るための素材選びや設計上のこだわりは?
A.針葉樹の床、土とつながる壁、そして窓の外の景色までを一つに繋ぎ、「五感で感じる心地よさ」を追求することです。
フローリングにはなるべく杉や檜などの針葉樹を使うことですね。
- 杉
- 檜
針葉樹は、調湿機能が高くて柔らかいので、踏み心地がいい。
私の家の床も檜なのですが、いつも裸足で過ごしていて、足の裏から感じるものって絶対大きいと思っていて。最近は技術が進歩して、見た目は本物と見間違えるくらいのものも出てきていますが、やはり天然の木と違いは感じます。
あとは、経年変化ですね。特に、杉なんて日焼けしてかなり変わっちゃいますが、その変化も楽しめます。初めは好きな色合いだけど、5年も経つと変わってしまうので、そこは事前にお客様にお伝えしますね。
そして、香りもいいですよね。私自身もずっと住んでいるとわからなくなりますが、知り合いが来ると「いい香りだね」と言われることもありますし、お手入れをすると香りが戻ってくることもあります。
また、壁には土と親和性のある珪藻土や漆喰を使うことですね。先ほども話しましたが、大地と繋がるということが深呼吸につながると思います。

あとは、庭に植える木も本当はなかなかそこまで突っ込めないんだけど、窓の外までデザインするっていう考えは大切にしたいですね。植物の性質を考えなきゃいけないから、何でもかんでも植えられるってわけではないけれど。
五感で感じる心地よさが深呼吸につながると思います。
大切にしている想い
Q.図面を引いている時、どのようなことを考えていますか。
A.これからはじまるお客様の暮らしの一瞬一瞬を思い浮かべています。
お客様の暮らしのストーリー・顔を思い浮かべながらデザインすることは意識しています。例えば、庭だったらでこういう風に過ごして欲しいなとか、お風呂に調光できる照明を取り入れるとこういうふうに過ごしてくれるかなとか。
そういう一瞬一瞬を、どういう風に過ごして欲しいなっていうところを考えながら図面を書いています。
あとは、引き渡して終わりではなく、リノベーション後のつながりについても考えています。
印象深い話だと、北向きの庭にひまわりを植えることを提案したっていうエピソードがあるお客様がいます。リビング側から見ると、こちらを向いて咲くひまわりの花に光が当たって、とても美しく見える。そのアイデアをとても気に入ってくれて、実際に見事なひまわりの庭をつくってくれました。そして、たくさんとれた種をいただき、今度は自分の庭にひまわりを咲かせたのです。そんな風に、花の種を介して、庭のコミュニケーションが繋がっていきました。
弊社のリノベでは、お手入れが必要な無垢フローリングを使っていることもあって、引き渡した後もメンテナンスでお会いするということもあります。
ふと今頃どんな暮らしてるかなって思うこともよくありますね。










