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「てまひま手帖」

創意あふれる 音のための部屋

お客様インタビュー (更新: )
関連ワード: 防音

扉を開けると、街並みを見通す開放的な窓と多くの楽器がお出迎え。てまひま不動産が防音リノベーションを手掛けた東京都練馬区にあるTさんのお宅へ、設計スタッフと編集部が伺いました。

世界の楽器が彩る壁

設計スタッフお邪魔します~。楽器増えましたね!

Tさん壁に飾ってある楽器は趣味で演奏するギターと、学校で教えるのに使っているリコーダーです。あと、これは沖縄の三線(サンシン)。三味線の元となった楽器で、これは胴の部分にニシキヘビの皮を張っているんです。カホンは遮音測定の時にアドバイスいただいた通りに遮音マットを敷いて演奏してます。

編集部すてきな音色ですね!防音室の使い心地はいかがですか?

Tさん演奏をしたり、逆に静かな空間で本を読んだりして、防音室を満喫してます!友人たちもよく遊びに来るんですが、玄関からすぐ防音室に入れる間取りなのでプライベートなリビングや寝室と分けて案内できるのが安心ですね。

希望エリアもライフスタイルも欲張りに

編集部もともとてまひま不動産を知ったきっかけは?

Tさんてまひま不動産を知ったのは練馬店(※現在は閉店)の前を通りがかったときにたまたま目についたのがきっかけで。最初は「カフェかな?」って思ったんですよ、お店のたたずまいが。でも外に貼ってあったリノベーション事例を見て不動産屋さんだとわかって中に入って話を聞いてみると、あの《ミュージション》も手掛けている不動産会社なんだって知りました。

設計スタッフ《ミュージション》は株式会社リブランが提供している24時間演奏が可能な防音賃貸マンションですね。音に関して長年研究した独自のノウハウをてまひま不動産の防音リノベーションでも活かしているんです。

Tさんミュージションのことは元々知っていたので、防音のノウハウをしっかり持っている不動産屋さんなんだと安心できたんです。練馬近辺の街の雰囲気が好きでこの付近のエリアで家を購入したかったんですが、近場の業者さんだとなかなか防音に関するノウハウを持っているところが見つからなくて。「通いやすいところにあって、防音の知識もあるならここで決まりだな」って思ってお願いしました。

編集部住みたいエリア重視だったんですね。

Tさん今の住まいに決めたのも街の魅力が大きいです。音楽も好きですが、美術館を巡ったり、図書館や古本屋を訪ねることも好き。ここからならそういった場所にも行きやすいんです。近くに銭湯があるのもポイントが高いですね(笑)。そういった希望にぴったりはまった場所だったのでここにしようと決めました。

スケッチから想像を膨らませた

編集部リノベーション済みの物件を購入して、てまひま不動産でこのお部屋を防音室仕様に再リノベされたんですね。

Tさんはい。家を購入して防音室スペースを作りたいなとは思っていたんですが、置くだけの簡易防音ユニットにするか、防音室をつくるかは決めていなかったんです。だからそれ込みで相談したんですが話を聞いていくうちに「やっぱりつくった方が面白いな」って思ったんです。

設計スタッフ設計の打ち合わせでは、Tさんがお持ちの楽器の写真を参考に描いたスケッチを見ながら相談していきましたね。

Tさんそうでしたね!いまだにスケッチを取っておいてありますよ。平面的な間取り図だとサイズ感であったり色味だったりを想像できなくて。「ピアノを置く位置をどうしようかな、壁紙はこんな感じかな、やっぱりこの方がいいよね」っていうのをビジュアルとして見せていただきながら考えられましたね。このイメージ図がなければ次のステップに進めなかったような気がします。

設計スタッフそういっていただけるのは純粋にうれしいです!初提案の時は壁紙がもっと明るい青空のようなブルーでしたよね。

Tさんそうそう、最終的には壁に絵が描けるとアトリエっぽくなって面白そうだなって思って黒板クロスにしたんですよね。壁ってふつうは絵を描いたりできないものなのに、好きなように描いていいのは非日常みたいで楽しいです。姪っ子が来たときはキャラクターの絵をラクガキしてましたし、美術に詳しい友人はピアノを有孔ボード側にして絵を描かせてって言われました。

編集部黒板クロス自体は落ち着いた雰囲気ですが、絵が加わると印象がガラッと変わりそうですね。スポットライトも美術館っぽい!

Tさんスポットライトは楽譜を見やすくするために光の当たる場所を変えられるので便利ですね。動画配信をやっている友人は「ここで動画を撮りたい!」って言っていましたよ。おいしい食べ物とお酒を持ち寄って楽しんでくれればスタジオ代わりに使っていいよって伝えてます(笑)

設計スタッフ防音性能を上げるためにはあまり天井や壁に穴をあけない方がいいので、ダウンライトではなくスポットライトをご提案したんですが、有効活用していただけて良かったです。

つくる経験が教える礎に

編集部リノベーションをしてよかったと思うことはなんですか?

Tさん教職という仕事をしていると、子どもたちに《衣住食》について教えることが多いんですが、衣服はいつも着ているもの題材にしたり、食事については給食や調理実習など触れる機会が身近にあって教えやすいんですよね。でも《住》に関しては建築現場を見ることは日常生活でほとんどないので、自分の言葉として伝えるのが難しいんです。今回、家探しやリノベーションを経験したことで、家が完成するまでにどのような人たちがどんなふうに関わっているのかを知ることができました。実感を伴って教えることができるようになったんですよね。

編集部お仕事にも影響があったんですね!

Tさん建築の分野ははじめて見るものが多くて新鮮でしたから。設計スタッフさんにお願いして躯体がどうなっているのか見せていただいたりもしましたよね。

設計スタッフ解体後のお部屋に来ていただきましたね。せっかく家をリノベーションするのなら私たちスタッフと一緒につくる経験をしてもらいたいという想いもあるので、Tさんのように興味関心を抱いていただけるのはとてもうれしいです。

Tさん有孔ボードも今はこんな感じに飾っているけど、フックの使い方次第でもいろいろできるだろうからどんどん変えてみようかなと思っています。こういうの考えるのってワクワクしますね。


「この部屋に入ると発想が無限大だなって思えるんです」とにこやかに仰っていたTさん。防音室から広がる視野と発想が、豊かな生活へと発展していくのでしょう。