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「てまひま手帖」

リノベーションのスケジュール

リノベコラム (更新: )
費用

教えて!住まいのリノベーションvol.6

新築物件を購入した場合は、購入から入居までのスケジュールは比較的わかりやすいですが、中古物件を購入してリノベーションするとなると、実際に入居するまでのスケジュールは見えにくいという方も多いでしょう。今回は、リノベーションを行う際に知っておきたい、物件探しから設計までのスケジュールについてお話しましょう。

 STEP1 中古物件探し (目安:1か月~3か月程度

インスピレーションで欲しい物件がすぐ決まる方もいれば、さまざまな物件をじっくり比較検討する方もいます。基本となる物件探しで失敗しないためには、次のようなポイントを丁寧に確認してみましょう。

物件情報を素早くキャッチ!

中古物件の賢い探し方(※vol.3の中古物件の賢い探し方とはのコラムへリンク)でもご紹介しましたが、物件情報はインターネットや仲介業者を上手に活用して賢く見つけることで、物件探しにかかる期間を大幅に短縮することができます。

内覧は売り主のスケジュールも考慮

中古物件購入のメリットは、すでに完成しているため「実際の物件」を見ることができる点にあります。すでに退去済みの物件であれば、購入者のスケジュールに合わせて内覧することもできますが、居住中の場合は売り主とのスケジュールを擦り合わせたうえで内覧日を決めることになります。

施工会社に内覧に同行してもらうと安心

リノベーションの施工会社が決まっている場合は、ぜひ担当者に同行を依頼しましょう。物件によっては希望しているリノベーションができなかったり、費用が高額になったりすることも十分に考えられるからです。施工会社に同行してもらうことで設計プランも適切なものとなり、見積もりと実際の請求額に大きな差が出るなどのトラブル回避にもつながります。また、同行してもらう場合は、売り主だけでなく施工会社ともスケジュールを調整する必要があります。

探す期間は短期間であることを目標に

半年~1年探し続けても、希望の条件を満たす物件になかなか巡り会えず、最後には探している本人が疲れ切ってしまうことがあります。物件を探す期間は長くても2~3か月を目安に、期限を切って集中的に探されたほうが、最終的に満足のいく物件が見つかることが多いようです。

 STEP2 物件売買契約 (目安:1か月~2か月

物件が決まったら、購入の申し込みを行い、物件の売買契約へと進みます。住宅ローンを利用する場合、物件の売買契約の前に住宅ローンの手続きも並行して行います。

購入申し込みで基本的な条件の提示を行う

購入申し込みとは、売り主に対し「購入希望価格」や「支払い条件」、「引き渡し期日」などの購入にあたっての希望条件を書面化し、売り主に提出します。売り主はその条件を踏まえて、実際の交渉に入るかを判断します。売り主も長引かせたくないため、交渉に長時間かかることはほとんどないでしょう。

住宅ローンの場合、銀行の審査機関も考慮

住宅ローンは、事前に行われる「仮審査」と「本審査」の2本立てです。仮審査は基本情報をコンピュータで確認する程度がほとんどなので、1日~1週間程度で審査結果が出ます。本審査は信用会社でさまざまな視点から審査を行いますので、審査結果が出るまでに1週間~2週間程度かかることが一般的です。また、リフォーム費用を金利の低い住宅ローンに組み込む場合には、この時点で工事見積書を銀行へ提出する必要があります。

STEP3 設計 (目安:2か月程度

物件の内覧以降、設計プランは同時進行で進めていきますが、本格的な設計作業は物件売買契約後に行います。

設計プランは丁寧な打ち合わせが成功のカギ

リノベーションの打ち合わせは1度で終わるようなことはほぼありません。多くの場合、リノベーションイメージのヒアリングに始まり、設計会社から出されたプランを元に打ち合わせを数回重ねて最終的な決定となります。面倒だからとこの打ち合わせを省いてしまうと、思ったような設計にならないだけでなく、費用が想定よりかさむ原因になることもありますので、打ち合わせは丁寧に行いましょう。逆に、この打ち合わせを丁寧に行わない設計会社は要注意です。簡単な修繕であれば大きな問題にはなりませんが、さまざまな工事を必要とするリノベーションでは多くのトラブルを招きます。

STEP4 施工 (目安:1か月~3か月

設計が完成すると、いよいよ施工が始まります。リノベーションの内容によって、施工期間は変動しますので、事前打合せの際に必ず確認しましょう。

管理組合への届け出や近隣へのあいさつ

施工開始時に必ず行うのが、マンションの管理組合への届け出。一般的には施工会社が工事内容やスケジュールなどを事前に届け出ます。また工事中は近隣住戸への騒音やほこりなどの迷惑をかけてしまうことがあります。入居後のご近所付き合いのためにも施工会社に同行して、一緒にあいさつ回りをしておきましょう。

施工スケジュールはこまめにチェック

事前打合せで施工のスケジュールを確認しておいても、実際にスタートすると予定通りにはいかないことも多々あります。早まる分には調整はしやすいですが、遅れてしまっている場合は時間を取り戻すことがなかなか難しくなります。引っ越しのスケジュールにも大きく関係してきますので、引き渡しギリギリになって大幅な遅れを知るなどといったことにならないよう、現場にはこまめに顔を出し、進捗状況をチェックしておくことも大切です。

施工内容に追加や変更がある場合は書面に残す

スケジュールと同様に、実際に施工してみたら設計図通りにはいかず、変更や作業の追加が必要になることがあります。追加や変更に伴い、金額が変更になることもあることから、あとから「言った、言わない」の水掛け論にしないためも、口頭のみのやり取りにはせず、必ず書面に残すようにしましょう。

STEP5 引き渡し

完成しましたら、いよいよ引き渡しになります。ですが、引き渡し前にも必ずやっておくべきことがあります。

引き渡し前の完成検査で内容をチェック

一般的には、リノベーションが完成したら、引き渡し前の「完成検査」で以下のことをしっかりチェックしておきましょう。

・依頼した設計通りの図面に仕上がっているか

・仕様書通りに資材が使われているか

・設置した機器類が正常に機能しているか

・ドアや窓、収納などに不具合がないか

・仕上がりに雑な点はないか

また、忙しいからといって家族の1人だけが立ち会うのではなく、できる限りそこに住むことになる方全員でチェックするのがおすすめです。さまざまな視点でチェックすることで、不具合や希望通りに施工されたかどうかなどの見逃しを防ぐことにもなります。万が一修正が必要な個所があった場合は、どのような修正が行われるのかも必ず確認しておきましょう。

STEP6 入居

完成検査が完了し、引き渡し後はついに新居への引っ越しとなります。近隣住戸へのあいさつはもちろん、役所への届け出なども速やかに行いましょう。

住み始めてから不具合が発生したら

完成検査では問題なかったのに、入居後しばらくして不具合が見つかることもあります。設備機器などであれば、メーカーの保証期間内であれば修理や交換などが可能ですので、メーカーに連絡しましょう。工事によるものと思われる不具合については、施工会社との契約内容によります。アフターサービスなどで対応してくれる施工会社もありますが、後々トラブルにならないためには、施工会社との契約時に、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)や保証についてもしっかりと確認しておくことがおすすめです。

まとめ

リノベーション前提の中古物件を購入する際には、物件探しから入居に至るまで、最短でも半年程度はかかるものです。出産やお子さまの入学など、「どうしてもこの日までは入居したい」というスケジュールがある場合は、極力ゆとりを持たせたスケジュールを組みましょう。