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「てまひま手帖」

初心者でも簡単! 毎日緑を楽しむ多肉ウォール

DIY (更新: )
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楽じゃないけど、楽しい“てまひま暮らし”を多くの方に実践してほしい。そんな思いから、暮らしをちょっと豊かにするD.I.Y.アイデアを紹介する「てまひま工作室」

個性的で愛らしい姿が心くすぐる多肉植物を使った「多肉ウォール」。いきなりですがみなさん、「植物を育てたいけど、忙しくてつい枯らしてしまう」「花を生けたいけど、いつも買い替えるのは大変」と思ったことはありませんか?

今回使用する多肉植物は、ぷっくりとした葉に水分や栄養を蓄え、乾燥地帯でも生き延びられるほどの強い生命力が特徴。面倒な水やりも最低限で済み、お手入れも簡単。部屋のインテリアとして長く楽しめるので、毎日緑を楽しみたい方にオススメです。

作り方をお教えするのは、てまひま不動産設計担当の野口さん

 

 

用意するもの

まずは、つくりたい木枠をイメージするところから。枠の大きさや深さを想定して木材を選びに。材料はホームセンターで手に入るものばかり。

1.木材(枠用)
一般的な工具で加工が可能な硬すぎない材質を選ぶのがポイント。今回は無垢材のサーモウッドをセレクト。サイズは縦20cm×横8cm、縦17cm×横8cmと厚さ15mmの2種。それぞれ2本ずつ。ホームセンターなら、好きなサイズにカットしてもらえるのでオススメ。

2.木材(背面用)
ベニヤ板。厚さ4mmの材を20cm角にカット。ホームセンターではカット済みのものが売られていることも。

3.定規
ビスを打つ位置に印をつける時に使用。

4.インパクトドライバー
ビスに合わせたビット(先端工具)選びも大切。今回は1番を使用。

5.万能ハケ
新品のハケは毛が抜けやすく、塗料を塗る際に混ざることもあるので、使用前に軽くむしっておくのがポイント。

6.シーリング材
ペースト状の建築材料。木の継ぎ目から水が漏れないように、隙間に詰めて塗る。色は木材に合わせて茶系をセレクト。

7.ステイン塗料
木材の強度を高めるために使用。蜜蠟や食用の亜麻仁油でも代用できる。ただ、亜麻仁油は塗料に比べて乾きが遅いので、時間がない方には塗料の方が使いやすい。布巾とプラスチックのコップもあると◎。

8.スリムビス(10本)
枠となる木組みに使用。見える位置に打つビスは、ステンレスよりブロンズの方が目立たないのでオススメ。取り付ける木の厚みの2倍の長さを目安に選ぶ。今回は長さ38mmのものを使用。

9.ネジ込み式フック(2本)
壁に掛ける時、ひもを通すフック代わりに。置いて飾る場合は省いてもOK。(正式商品名はヨート)

10.ステンレスの木ネジ(8本)
背面のベニヤ板と木枠を取り付ける時に使用。今回は長さ20mmを使用。

11.ミニビス(12本)
網かけ用。こちらもブロンズ。今回は長さ13mmを使用。

12.ステンレスのワイヤー
網用。好きな色のワイヤーやチキンワイヤー(ニワトリ小屋などに使われる金網)にしても良い。

つくり方

1.塗料缶は開封前によく振って混ぜます。ハケで塗料を取り、ベニヤ板の片面だけ塗ります。汚れが気になる方は、ビニール手袋を装着してください。
2.塗った後はすぐに布巾などで塗料をしっかり拭き取ります。そうすることで板に塗料が染み込み、ムラのない仕上がりに。風通しの良い場所に置き、乾いたら2度塗りします。

3.縦20cm×横8cmの木材を測って、ビスを打つ目印を付けます。今回は材の厚さが15mmなので、端から7mmのところに2箇所印を付けます。
4.ビスの下部を指で押さえ、インパクトドライバーを使ってビスを打ちます。

野口’sポイント!
「トリガーをゆるめに引いてスピードを調整しながら、ビスがまずは垂直に立つようにゆっくり回すのがポイントです」

5.ビスが立ったら木材を横に寝かせ、ビスの先が板から少し突き出るまで打ちます。2mmほど突き出たら、縦17cm×横8cmの木材を押し当てながらビスを打ちます。

野口’sポイント!
「一気に打つとビスが斜めに入ることもあるので、細切れに回しながら打ってください」

6.枠が完成したら、背面のベニヤ板を取り付けます。塗装した面が内側になるように上から被せ、木ネジで8ヵ所締めます。

7.木枠が出来たらひっくり返して、内側の継ぎ目にシーリング材を塗り込みます。
8.塗ったシーリング材を指でのばして隙間を埋めます。

9.ネジ込み式フックを木枠の上部に取り付けます。手で回して差し込んでください。硬い場合は、布巾を使うと回しやすくなります。
10.木枠の外側に網をかけるためのミニビスを打つ印を付けます。上と下のビスが同じ位置になるように意識しながら、合計12ヵ所に印を付けます。

11.ビスをドライバーで締めます。
12.木枠の完成です。

続いて、多肉植物の寄せ植えを教えてくれるのは、「ものをつくることがとにかく好き!」というフラワーデザイナーの新川さん。実は、リブランのエコヴィレッジにご家族でご入居くださっています。

用意するもの

寄せ植えに必要な道具は、とってもシンプル。ほとんど家にあるもので揃います。

1.ハサミ
ワイヤーや苗の長さを整えるために使用。普通のクラフト用ハサミでOK。

2.ピンセット
寄せ植えの隙間に水苔を入れたり、小さな苗を植え込んだりする時にあると便利。

3.割り箸
苗を植えるための穴を開けたり、苗を摘んで土に押し込んだりする時に使用。

4.水苔
土が崩れるのを防ぐために使用。ラン用やココヤシファイバーでも代用可。

5.炭
底に敷いて水はけを良くする。鉢底石やカラーサンド、細かく砕いた発泡スチロールでも代用可。

6.土
多肉植物やサボテン用の土。

7. 根腐れ防止剤
今回は穴が開いていない木枠に寄せ植えをするので、根腐れを防ぐために使用。土中の水分を浄化する効果がある。

8.トレー
屋内で作業する時に溢れる土を受けたり、アレンジ前に苗を並べたり。新聞紙でもOK。

9.多肉植物の苗
多様な多肉植物のなかから、成長期が同じものを選べば水やりのタイミングなども似ていて育てやすい。「ホームセンターでも販売していますが、種類が少ないので、こだわりたい方には多肉植物の扱いが多い園芸店がオススメです」と新川さん。今回は埼玉県にある「フローラ黒田園芸」で購入。

使用した多肉植物

今回寄せ植えをするのは、夏型の多肉植物。多肉植物には春秋型と夏型、冬型の3種類があり、寄せ植えする季節に合わせて選ぶのがオススメだそう。「これから秋にかけては紅葉するものもあり、また違う楽しみ方もできます」と新川さん。

①ボンビシナ ②緑牡丹 ③レモータ ④スノージェイド ⑤群雀(グンジャク) ⑥銀武源(ギンブゲン) ⑦ベビーサンローズ ⑧銀明色(ギンメイショク) ⑨熊童子(クマドウジ) ⑩ハートカズラ錦 ⑪天竺(テンジク)

つくり方 

1.根腐れ防止剤(大さじ1)を入れます。
2.炭を底から5cmくらいの高さまで入れます。

3.土を上部から1cm下まで入れます。ふわっと入れる感じでOK。
4.水苔は水を加えて柔らかく戻し、ぎゅっと絞って水気を切ってから土の上に敷き詰めます。これで土台は完成。

5.木枠の制作の際に用意したワイヤーを使って網を張ります。ビスにワイヤーを巻きつけ、ピンと強く張ってください。ポイントは、1本ずつ切って使うこと。そうすることで、枯れてしまった時や1ヵ所だけ植え替えをしたい時に、全部のワイヤーを外す必要がなくなります。
6.苗をポットから取り出します。プラスチック鉢の部分を手でもんで土を柔らかくすると、うまく出せます。

7.根をほぐしながら余分な土を落とします。ほぐすうちに自然と苗と苗が分かれるものがあれば、分けておきます。根をちぎらないように注意してください。
8.箸で土に穴を開けます。

9.メインとなる大きな苗や、形に特徴のある苗から順に植えていきます。隣同士で色が被らないように植えるのが、綺麗な仕上がりのためのコツ。また、多肉植物は湿気が苦手なので、できるだけ重なり合わないよう、水苔を使って高さを調整しながら植えてください。

新川’sポイント!
「うっかりポキっと葉が折れてしまってもご心配なく。『葉挿し(はざし)』という方法で、土の上に置いて乾かしておけば、また新たな根が生えてきます。根が出るまでは水をあげず、小さな根が出てきたら根の部分を下に向けて土に挿してください。次のアレンジの時にも使えるので、捨てずに育ててあげてください」

10.根が長いものは、ゆるく巻いてから植えます。

 新川’sポイント!
「高さのある苗は、上部に植えると重さでボロッと崩れてしまうことも。下部に植えたり、斜めに挿して葉を上向きにしたりすると安定感が出ます。ハートカズラ錦のように、どんどん伸びるタイプのものは、あえて下に垂らすのもテクニックのひとつです」

11.苗が大きい場合は剪定します。剪定した根がついていない多肉植物は、1週間〜10日ほど真っ直ぐに立てた状態で切り口を乾かしてから、ペットボトルのキャップなど、小さな容器に乾いた土を入れて挿して置いておくとまた根が生えてきます。
12.植え終わったら、ピンセットを使って水苔で隙間をしっかりと埋めます。これで多肉ウォールの完成! このまま1週間置いて水苔を乾燥させたら、フックに紐をつけて部屋の好きな場所に飾りましょう。

新川さん曰く、寄せ植えから最低1週間は水やりを行わず、葉の表面にシワがよってきたら、その多肉植物にだけ水を与えれば良いのだそう。その時、葉ではなく根にあげるのがポイント。水の量は土が湿る程度でOK。先が細くなった水差し、もしくはスポイトがあると便利です。

置き場所は部屋のなかであれば基本的にどこでも大丈夫ですが、3日に1回は風通しのよい日陰(庇の下など)に置いて、外の空気に触れされることが大切。ただし、直射日光に当たると葉焼けしてしまうので要注意! 万が一枯れてしまった場合は、割り箸でその多肉植物を抜き、また別の多肉植物に植え替えてください。

多肉ウォールづくり、いかがでしたか? リビングの壁にかけたり、玄関棚に置いたり。てまひまかけてつくることで自ずと愛着も湧き、日々の暮らしのなかに楽しみが増えるはず。みなさんも挑戦してみて下さいね。

 

br /> 企画:てまひま不動産株式会社リブラン
⽂:原⼭幸恵(tarakusa)
写真:⼩賀康⼦