独身女性が借りる住宅ローンは、どうやって選択する? 年収300万円〜500万円のシミュレーションも

女性が住宅ローンを組む時に考えておくべきことは何か?選択方法や注意点、女性専用の住宅ローンなども紹介。
独身女性が借りられる住宅ローンの種類
住宅ローンには、大きく分けて「民間住宅ローン」と「フラット35」の2種類があります。
民間住宅ローン
民間住宅ローンは、銀行や信用金庫など、民間の金融機関が提供している住宅ローンです。金利や返済期間など、金融機関によって様々な商品が用意されています。
フラット35
フラット35は、政府系金融機関が提供している住宅ローンです。金利が固定されているため、返済計画が立てやすく、金利変動リスクを避けることができます。
どちらを選ぶ?民間住宅ローン vs フラット35
民間住宅ローンのメリットとデメリット
フラット35のメリットとデメリット
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査」(2022年10月調査)より実際に借りている方の住宅ローン種類の割合を見てみると変動金利型は69.9%、全期間固定金利型は10.0%、固定金利期間選択型は20.1%と低金利時なので変動を選ぶ方が多いようです。
民間住宅ローン(変動金利)とフラット35(固定金利)の返済を比較
借入額3000万円・借入期間35年でそれぞれ比較しました。変動金利は10年ごとに0.5%上がる想定で計算しています。
民間住宅ローン(変動金利) 10年ごとに0.5%上がった場合を想定
フラット35(固定金利)
<変動金利>
変動金利は、市場金利の変動に応じて金利が変動する住宅ローンです。金利が低い時期には、固定金利よりも低く借入することができます。しかし、金利が上昇した場合には、返済額も上昇します。
<固定金利>
固定金利は、一定期間(10年、20年、30年など)の金利が固定されている住宅ローンです。金利が変動しても、返済額は変動しません。ただし、変動金利よりも金利が高い傾向にあります。
自分に合う住宅ローンはどうやって見つける?
過去には独身女性が住宅ローンを借りにくい状況がありましたが、今はほとんどの金融機関で独身かどうかは審査で重要視されていない状況です。
国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査」(令和4年度版)では「融資を行う際に考慮する項目」という質問の結果、都市・地方・第二地方・信託銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫等では、「性別」と回答した機関はわずか21.2%しかいませんでした。また「家族構成」を審査項目にしている金融機関は29.8%という結果が出ています。
では、重要視される項目は何か?年齢、健康状態、年収や勤続年数、雇用形態、勤務先など個人の属性が審査されます。
勤続年数が1年未満、派遣や契約社員、個人事業主などの方は民間住宅ローンが借りられるか、不動産会社や金融機関に相談するか、事前審査を受けてみましょう。フラット35であれば、年収が不安定であったり、転職したばかりや派遣社員であっても前年の年収が返済比率を満たしていれば借入可能なので利用しやすいと言えます。
女性専用住宅ローンはどうなの?
リクルートの「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると2022年住宅購入者の内、独身女性の割合は10.9%。2017年4.8%から徐々に増えてきています。
金融機関も女性専用住宅ローンを設定するようになりました。女性のライフスタイルやニーズに合わせた特典が付いているのが特徴です。
たとえば、
などがあります。女性専用住宅ローンを検討している方は、各金融機関のホームページやパンフレットなどで詳細を確認してください。

女性専用住宅ローンの例
りそな銀行「凛 next」
(1)繰り上げ返済手数料が無料(一括繰上げ返済も無料)
(2)就業不能時保険ローン返済支援保険が付帯(疾病・障害により30日間を超える就業不能が継続した場合に、最長12ヵ月保険金をお支払い)
(3)3大疾病保障特約が、通常よりも安い、金利0.15%上乗せで付けられる(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)
*条件は変わる場合があります
年収別シミュレーションをしてみましょう!
返済比率から考える
年収に対するローン返済額の割合である「返済比率」から考えましょう。
返済比率=(年間返済額÷年収)×100
フラット35の場合、年収400万円未満の返済比率の基準は30%以下、年収400万円以上の返済比率の基準は35%以下と設定しています。
返済比率には住宅ローンの返済額だけでなく、カードローンやクレジットカードの分割払い・携帯やスマホの割賦払いなど、他のローンで借りている額も含めて計算します。奨学金の支払いなどがある場合は同様に含めて計算します。
また、管理費や修繕積立金の支払いも発生します。だいたい1~3万円ほどプラスになるので、見込んで確認しておきましょう。
年収別シミュレーション
<年収300万円>*返済比率30%以下
年収300万円では、どのくらい住宅ローンが組めるのでしょうか?
<30%の場合と余裕を見た25%の場合>
300万円の30%は90万円、12ヶ月で割ると月々7.5万円が基準の上限となります。余裕を見て25%で計算すると、月々6.25万円となります。
<ローン支払い6.3万円以内に収める場合>
変動金利0.475%の場合、月々62,294円の支払いで借入額は2,410万円。固定金利1.75%の場合、月々62,441円の支払いで借入額は1,960万円になります。
<年収400万円>*返済比率35%以下
年収400万円では、どのくらい住宅ローンが組めるのでしょうか?
<35%の場合と余裕を見た25%の場合>
400万円の35%は140万円、12ヶ月で割ると月々11.7万円が基準の上限となります。余裕を見て25%で計算すると、月々8.33万円となります。
<ローン支払い6.3万円以内に収める場合>
変動金利0.475%の場合、月々83,294円の支払いで借入額3,220万円。固定金利1.75%の場合、月々83,100円の支払いで借入額2,650万円になります。
<年収500万円>*返済比率35%以下
年収500万円では、どのくらい住宅ローンが組めるのでしょうか?
<35%の場合と余裕を見た25%の場合>
500万円の35%は175万円、12ヶ月で割ると月々14.6万円が基準の上限となります。余裕を見て25%で計算すると、月々10.41万円となります。
<ローン支払い6.3万円以内に収める場合>
変動金利0.475%の場合、月々104,685円の支払いで借入額4,050万円。固定金利1.75%で月々104,174円の支払いで借入額3,270万円になります。
住宅ローン審査を通過するポイント
女性に限らず住宅ローン審査に通らない場合は、頭金を多くして住宅ローン借入額を少なくすることも一つの方法です。頭金の額が多ければ、金融機関の信用度も高まります。また、住宅ローンを契約したい銀行に、定期預金を預けるのもよいでしょう。借入金額が少なくなれば発生する利息も少なくなり、同時に月々の返済額も減ります。
ワンストップリノベーションの住宅ローンとリフォームローン
中古マンションを購入して、同時にリノベーション工事を実施すると、リノベーションの工事も住宅ローンで組むことができます。工事をリフォームローンで組むと金利が高く、返済期間も10〜15年となり、返済額が高くなります。
ワンストップリノベーション例(変動金利0.475%で借入)
物件購入:住宅ローン2000万円(金利0.475%・35年)+工事:住宅ローン1000万円(金利0.475%・35年)=月々51,696円+月々25,848円=77,544円
リフォームローン例(変動金利2.7%で借入)
物件購入:住宅ローン2000万円(金利0.475%・35年)+工事:リフォームローン1000万円(金利2.7%・15年)=月々51,696円+月々67,624円=119,320円
ワンストップリノベ | リフォーム | |
住宅ローン | 月々51,696円 | 月々51,696円 |
工事 | 月々25,848円 | 月々67,624円 |
トータル | 月々77,544円 | 月々119,320円 |
差額は月々41,776円となります。ワンストップリノベーションと同じ支払額(77,544)にするには借入額を380万円に抑える必要があり、希望通りのリノベーションができなくなるかもしれません。
リフォーム・リノベーションを考えている方はワンストップリノベーションが可能な会社に相談してみるのも良いでしょう。
*注意
融資条件や金利などは変わります。実際の借入可能額は個別の審査により決定しますので、基準以下の借入額となる場合があります。最新の情報を入手して検討してください。
てまひま不動産ではワンストップリノベーションが可能です。ご興味のある方はぜひセミナーへ。
ご参加お待ちしております。
