無垢床の掃除とお手入れ方法

無垢材とは、天然木から切り出されたそのままの板のこと。その木目の美しさで自然の風合いが楽しめるだけでなく、木の香りとがしたり、足の触り心地が気持ちよかったりと、快適な住まいづくり活躍してくれます。
このような無垢材は、一般的な合板のフローリングと比べれたとき、そのお手入れの方法に少し違いがあります。今回は、無垢フローリングのお掃除・お手入れ方法から、汚れ、凹み、傷などのトラブルの対処方法まで、順番に見ていきましょう!
CONTENTS
はじめに:無垢床の「塗装」について
まず初めてに知っておく必要があるのは、無垢の床板といっても「塗装(仕上げ)」の方法で、違いがある点です。
そもそも、無垢って「塗装」するの?
無垢材はそのままでは、乾いた木の繊維が非常の水を吸い込みやすいため、水分や汚れも非常に染み込みやすくなっています。ですので、足元の「フローリング」の素材としては、無塗装での無垢材そのままの床材での使用は、一般的ではありません。
無垢の塗装は大きくわけて2種類
1コーティング系(ウレタン、UVウレタン)塗装
ポリウレタンを主成分とする塗料で、無垢の表面に硬い膜を形成する塗料のことです。
撥水効果が高く、汚れがつきにくいのでお手入れも最も簡単です。コーティング自体は通常の利用においては、20年〜と長くもつものと考えてよいでしょう。ただ、コーティング作業は業者に依頼する必要がでてくるため、凹みや傷ができたりすると、自分では修復が難しくなります。
2浸透系の(自然塗装、オイル塗装)塗装
浸透性の塗料で、自然塗装(オイル塗装)と呼ばれることもありますが、自然系のオイルやワックスの仕上げのことです。
表面を完全に覆うコーティングとは異なり、木の表面から内部に浸透することで、無垢素材の質感を保ちながら、油分が水分を弾く性質で汚れにくくしてくれます。また、木材の呼吸を妨げないために、調湿性能もたもたれると同時に、無垢板の自然の風合いを楽しむことができます。
コーティングと比べれば、傷や凹み、汚れは付きやすいですが、サンドペーパーなどで自分で修復できてしまうところがポイントですね。
自然の素材を取り入れた快適な空間づくりを提案する「てまひま不動産」では、この浸透系の塗料のひとつ「蜜蝋ワックス」をおすすめしていますよ!
下記も、この浸透を前提に、ご案内してきますね。
無垢フローリングの普段のお掃除方法
無垢床の普段のお掃除。普段のお掃除は「掃除機」「乾拭き」程度。簡単ですね。
1掃除機・ほうきをかける
普通のフローリングと変わらず、無垢床の表面を表面のほこりや髪の毛を取り除きます。もちろんほうきをつかってもOKですよ。

ササーッとチリやホコリを取り除きましょう!
2乾拭きをする
ワックスなど浸透性の塗料は、撥水作用があるといっても、水を吸ってしまいます。乾いた雑巾や、ドライシート、モップなどを使った乾拭きが有効です!
掃除機をかけた上で、汚れが気になる場合にはさっと乾拭きしてあげましょう。木目に沿って拭くと、汚れがおちやすいですよ。

木目に沿って、乾拭きで。
水を吸い込みやすい素材ですので、毎日のお掃除では水拭ききは控えたほうがよいでしょう。ただ、汚れがつよいときや、食べ物をこぼしてしまったときなどは、固く絞った雑巾で拭き取ることは効果的ですよ。(強い汚れの落とし方は、また後でご紹介しますね。)
たまにはしっかり?隙間に詰まったゴミ・ほこりを取ろう
無垢床は、1枚1枚の板を並べた状態になっています。通常はぴったり敷き詰めるのですが、板と板の僅かな隙間にほこりやゴミが侵入してしまうことも。
もし汚れが気になるときは、つまようじなどで隙間の汚れをかき出し、掃除機で吸ってしまえばOKです!
乾燥しやすい冬場などは、無垢フローリングが乾燥で収縮し、板と板の間の隙間が広がることがあります。
調湿作用のある無垢板は、じめじめしてくると湿気を吸い込み、逆に乾燥すると湿気を放出し、お部屋の湿度を快適に保ってくれる機能を持っていますので、これは、無垢材がお部屋を調質してくれている証拠だと言えますね。
年に1〜2回のお手入れに、「ワックス」を塗ろう
冒頭で「ワックス」をご紹介したように、無垢材はお部屋に敷いてすぐに、ワックスを塗布して汚れを防止しますが、そうして一度塗った塗料も、日常の使用や拭き掃除などで、少しずつ、塗料が減ってきてしまいます。
半年〜1年に一度程度のメンテナンスとしてワックスを塗り直してあげると、撥水による汚れの防止効果をとりもどすだけでなく、表面もツヤが蘇って気持ちよく過ごせます。
床板を敷いて最初の数年間はこのようなお手入れを行うことで、塗料が板に染みて馴染んでいきます。汚れの防止力も高まり、無垢の色味が変わってきて、経年変化がたのしめますよ。
ワックス塗りは必須?
ワックスをこれをサボるからといって、すぐにダメになってりしないですが、やはり汚れにくくなる効果がありますので、お手入れしていおたほうがよいでしょう。また、こうして自分でメンテナンスしてあげることで、きれいな状態をたもてるだけでなく、床板にもだんだん愛着がわいてくるんです!
塗り過ぎはご注意
あまりに頻繁にワックスを塗ったり、多く塗りすぎたりしても、無垢の表面に浸透できる量は決まっているので、表面に残ってしまいます。逆にベタついてきたりしてしまいますので、塗りすぎないようにしましょう。
おすすめは「蜜蝋ワックス」!
てまひま不動産のおすすめは「未晒し蜜ロウワックス」国産のミツロウ(無漂白)と、エゴマ油(国内生産)を組み合わせた、無垢材の専用のワックスです。

無垢床用の「未晒し蜜蝋ワックス」
ワックスの塗り方のコツ
ワックスを塗り直す前に、全体を水拭きして、キレイにしてあげるよいでしょう。汚れが気になる部分は、専用のクリーナーもありますので、必要に応じて利用できます。
塗るときのコツはうす〜く塗って、表面に刷り込むように拭き取ること。こちらの動画記事で、詳しく解説していますので、ぜひご覧ください!

無垢に蜜蝋ワックスを塗る
やらかした!強い汚れの落とし方
さて、ここからは、無垢床のトラブルへの対策です。
無垢床でも「こぼしちゃった!」「傷がついた!」と、慌てなくても大丈夫。だいたいの問題は、自分で補修ができてしまう点が、無垢フローリングののメリットの一つといえるでしょう。
水をこぼした!
水をこぼしたら、決してそのままにせず、すぐに拭き取りましょう。ワックスが撥水作用が働けば、過度に浸透せず、シミになりにくいです。逆に、こぼした水を放置してしまうと、水シミになってしまいますので、ご注意下さいね。
ソース・ケチャップ・醤油がこぼした!
ソース、ケチャップ、醤油なども、水分が多いのでできるだけ素早く拭き取って上げて下さい。固く絞った布巾・雑巾がよいでしょう。ワックスの撥水効果が効いていれば、板に染み込むこともなく、サッと取り除けるはずです。
こぼしたものが汚れが油っぽい場合は、少しだけ中性洗剤(台所洗剤でOK)を少しだけまぜた雑巾なら、落ちやすくなりますよ。ここでも雑巾は固く絞ってお使いくださいね。
ケチャップ・醤油、ソース、ペンでわざと汚してみた実験動画はこちら!
油性ペンで書いちゃった
子供がペンで落書きを・・、なんてことはよくありますが、無垢床なら大丈夫。表面をサンドペーパーで削ってあげれば、消すことができます。
削った木くずがでますので、あとはきれいにクズを拭き取って、削った場所にワックスを塗り直して上げて下さいね。
汚れが浅い場合は、消しゴムでゴシゴシすれば、落ちる場合もあります。
無垢床でも汚れは落とせる!
無垢床の汚れの落とし方に関して、こちらの動画記事で詳しく解説していますよ:
無垢床の凹み(へこみ)を直す
無垢材も、種類によっては柔らかいものから硬いものもありますが、コーティングされた合板フローリングより、傷がつきやすい傾向があります。
また、携帯やなにか重いものを落としてしまったりすると、ちょっと凹んでしまったりします。
でも、ちょっとした傷や凹みも、霧吹きでシュッと水をかけて、その上から絞ったオシボリからアイロンを当ててやれば、水分により膨張して傷が修復されてくれるんです。

アイロンと水分で、シュ〜ッと修復!
凹み直し方も、こちらに詳しくまとめていますよ:
無垢の板が反ってきた場合の対応
無垢板の加工時にしっかりと処理された無垢材であればまれですが、湿度の変化により、反りや割れが発生してしまうことがあります。
基本的には、時間が経てばもとにもどっていたりしますので、慌てないようにしてください。
しばらく放置して、ガタガタしたり引っかかったり、日常生活に問題があるようであれば、やすりやサンダーで削って調整してやることができます。
てまひま不動産のお客様と一緒に、ヤスリがけを行ったレポートもこちらにまとめています。
無垢材はメンテナンスも楽しもう
以上、無垢のフローリングの、お掃除とお手入れ方法についてのまとめでした。無垢フローリングは、自分でメンテナンスができるので、お手入れするごとにどんどん愛着が湧いてくるはず。
お部屋の湿気を吸ったり吐いたりしてくれますので、お部屋の湿度を快適に保ってくれる「調湿作用」も兼ね備えた、高機能な床材です。また、合板のように接着剤などの化学製品を使わないため、体ににも優しい。
お手入れも楽しみながら、快適な暮らしをつくっていきましょう!
中古マンション・戸建とリノベーションの専門店「てまひま不動産」では、無垢の床板のサンプルがございます。

無垢の床材のサンプルずらり
西荻窪の店舗に、ぜひお気軽にお越しくださいね。